断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

行徳蔵書

福岡県浮羽市で病害虫防除所に勤められていた行徳直巳さん(1917-2008)の蔵書をいただいてきた。昆虫標本はすでに北九州市立自然史博物館に収められている。

古い一般書がかなり充実しており、こちらの博物館に収蔵のないものがかなりあった。ほんとうにありがたい。素晴らしい箪笥や棚もあったのだが、持ちきれないので、泣く泣く諦めた。

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新しい本や雑誌もかなりあった。

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河野君、茶坊主、元山君がお手伝い。

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標本も一部残されていた。雨漏りのする押し入れにあったのだが、ナフタレンの入っていたものは完全に無傷だった。一方、パラゾールが切れたものは跡形もなくカツオブシムシの餌になっていた。ナフタレンのすばらしさ(長持ち・防虫力)を思い知った。

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また、おもいがけず貴重な標本をいただいた。幼虫の頭部のついたゴマダラチョウ。顕微鏡で見ると幼虫の頭部のなかに奇形(成長不良)の成虫の頭が入っており、決して人工的なものではないことがわかる。

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置いて行くものはすべて処分とのことだったので、できるだけ持ち帰った。古い採集用具や針などもいただいてきた。こちらも場所がないので、すでに当館にあるものは学生さんに差し上げたり、私が保管する予定。

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古いガラスの注射器もいただいた。ステンレスの入れ物もいい。丸い紋はペルラージュ仕上げというそうだ。ガラスの注射器は薬品による変形が一切ないので、酢酸エチルやアンモニアには最適である。

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近況

現実に戻ると忙しい毎日である。とにかく締切が多い。余計なこともやっているわけだけど、余計なことと本筋の区別がつきにくいのは誰でも同じ。とはいうものの、私はとくにひどいかもしれない。

糸島の猟師さんより立派なヤマドリをいただいた。とにかく赤くてきれい。夕飯にするわけではなく、剥製屋さんに送る。

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チェコからヒゲブトオサムシも届いた。持っていないものはごくごくわずかだが、その持っていないもののために購入した。ダブリを原価で引き取ってくださる方募集。

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学生はみんな元気にやっている。金尾君と有本君はアメリカ昆虫学会の準備。金尾君は学位論文も並行して完成させており、会うと仙人のように達観した顔をしている。

山本君は元気。巨大な研究計画を遂行しており、とても頑張っている。

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柿添君こと茶坊主も処女(ちゃんとした)論文出版に向けて、こつこつとやっている。新しい発見もある。

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マルバルコウだった

東京に行っている間に謎のアサガオが咲いた。雑草化しているマルバルコウそのものだった・・・。しかし超遅咲きなので、日本に入っているものとは別種か、別の系統なのだろう。がっかりだけど、花はいい。花を楽しんでから引き抜きたい。

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明日のテレビ収録に向けて、今日は午後から夕方まで準備を行った。本部庁舎の屋上に上がることができたので、われわれのいる旧工学部本館を撮影しておいた。

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そして4人がかりで部屋の掃除をしていただいた。かなりきれいになった。こういう機会でもないと掃除しない。この椅子で対談の予定になっている。明日は東京から10人くらいのスタッフが来て、朝から夜まで、大掛かりになりそうだ。

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帰福

1日の夕方に東京へ。その晩は銀座の天ぷらに親を連れて行った。「天あさ」という店で、さすがの味だった。

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2日と3日は昆虫大学。とても楽しい2日間だった。私もカタゾウの展示を持って行った。昆虫大学の様子はツイッターのまとめでご覧下さい。


昆虫大学2014 in 横浜 - Togetterまとめ

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昨日は昼から監修のお仕事の打ち合わせで、浜松町の「煌味家」というお蕎麦屋さんでご馳走になった。そば粉の香りがふんわりとして、美味しい店だった。ご夫婦の編集者で、とても感じの良い方々だった。

その後、別の執筆(簡単なもの)の打ち合わせで秋葉原へ。異分野の執筆だけど面白そうだ。

夕方から赤坂へ行き、ホテルで休憇。23時半ごろにTBSに行き、「荻上チキのsession 22」という番組に1時間ほど出演した。長くラジオに出るのも初めてだったし、選曲するのも初めてだった。局は深夜を意識して「ジョアンジルベルト Samba da minha terrra」、「チェットベイカー Do it the hard way」、「シラブラック Aifie」にした。

f:id:dantyutei:20141105195352j:plain番組のtwitterより

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そして今日、帰福した。明日と明後日はテレビの収録が私の研究室であり、忙しくなりそうだ。

病院へ

昨年は一度も風邪をひかなかったのだが、今年は引いてしまった。台湾との温度差が効いてしまったようだ。来週にラジオやテレビの収録があったりするので、今日は朝から病院に出かけた。

明日から東京なので、いろいろと準備したり、メールの返信を進める。

部屋の前に小檜山先生のゾウムシパネル(昨年展示で使った)を飾っていたのだが、テレビの収録でまずいので、カタゾウムシのパネルに変更した。パネル貼りはお手のもの。

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プチ怒涛

 自宅のインターネットの具合が悪く、朝からNTTに来てもらったら、やっぱり不良があった。これで自宅でも仕事ができる。

「昆虫はすごい」がまた重版、第6刷り突入との電話をいただいた。

海外送金とメガネのレンズを入れに天神に行く。

大学ではテレビ出演の打ち合わせ。

その後、週末の昆虫大学に向け、パネルの準備を行った。

 

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それからハネカクシの解剖をコツコツと10個体ほど。

帰り際、科研費申請書の訂正が事務から来たので、急いで戻した。明後日から東京なのでぎりぎりで直せてよかった。ついでに去年落ちた若手Aの審査結果を初めて見た。すごいギリギリだったようだ。独創性と革新性がないのは自分でも良く理解しているので、落としてもらってよかったのだが、やっぱり悔しい。もう若手には出せない。


吸え過ぎ君スティックファイナリアリティぷんぷんドリーム

台湾で世話になった学生の梁君の真似をして、吸虫管の吸い口の途中に、土を吸わないようにバイク用のオイルフィルターを付けた。吸うときの力も変わらないし、とても良い感じ。20年吸虫管を使ってきて、これが最終形態になりそう。

単純に網目の細かいフィルターを付けると、吸引力が極端に弱くなる。その点、これはフィルターは細かくても、面積が大きいので、吸引力が衰えない。

目下唯一の欠点はシリコン栓の隙間に虫が入り込むことがあること。これは改善の余地あり。良い素材を探している。

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研究再開

気ぜわしいが、今日からしっかり研究再開することにした。まずは保留にしているヒラタアリヤドリ属の研究である。その次にクサアリの新種を投稿したいと思っている。台湾に行って、いろいろな方と研究の相談をするうちに、いろいろな新案が出てきたのだが、まずは不良債権となっている課題を先に片づけなければと思った。

「昆虫はすごい」のおかげでいろいろな出版社から声がかかるようになったが、時間のかかりそうなものはほとんどお断りしている。引き受けるのはどうしてもやりたいものと時間のかからない監修関係のものだけである。やるべきことは教育と自分の研究を最優先とし、後はバシバシと断っていく勇気を持ちたい。

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「昆虫はすごい」の売れ行きは相変わらず好評で、在庫がある限りAmazonの1位が続いている。Amazonは書評にしっかりしたものが多くて、その点がとてもありがたい。読んで「たしかにそうだな」と反省することも多い。

Amazon.co.jp: 昆虫はすごい (光文社新書): 丸山 宗利: 本

 

橋本さん来福

橋本さんがお見えになったので、博多で蟻屋の飲み会。大変面白かった。写っていないが小松君もいる。

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タイかマレーシアから種をとってきたヒルガオ科植物。かなり大きくなったのにまったく花が咲かないので、超遅咲き(短日性)のようだ。寒くなったので枯れる可能性があったのだが、ようやく蕾が付き始めた。咲くのが楽しみである。

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