断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

時間配分

今年の夏は「きらめく甲虫」、「アリの巣のお客さん」、「アリのくらしに大接近」、そして「昆虫はもっとすごい」の4冊を出して、上半期は完全にそれらに忙殺されていた。それから7月に入り、ラジオやテレビの取材、それに講演も多く、どれも移動や準備で数日を費やしてしまうので、7月と8月はまったく研究する時間がとれなかった。

先週までタイにおり、それから金曜までは、別件の用事(自分にとっては重要なこと)に追われていた。そしてようやく一息ついた。

別件の用事というのは、自分を見つめ直す機会となったもので、それを終えてふと考えると、このごろはつくづく本来の自分を見失っているような気がした。何度も自分に言い聞かせる必要があることだが、研究者を名乗る限り、なにを差し置いても、研究が第一で、学生の指導もしっかりしなければならない。

本が売れると、いろんな出版社から執筆の依頼が舞い込む。テレビやラジオの出演依頼も相次ぐ。

この秋も海外調査がいくつかあるが、しばらくは新しい依頼に応えるのは控え、残っている課題を消化し、ひたすら研究に向き合いたいと思う。

と、ささやいてみた。

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ペルーで世話になった南アフリカ在住の夫妻にツノゼミの本を送ったら、わざわざ写真を送ってくれた。

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昆虫はもっとすごい

こんな本も出ております。初版があっという間に売り切れて、さっそく重版がかかりました。養老先生と中瀬君との鼎談です。田中裕子さんという美人の書き手さんが「放談」に近かったものを上手にまとめてくださり、面白い本になりました。いろいろと深いことが書いてあって、買って損はありません。

http://www.amazon.co.jp/dp/4334038751/

ちなみに、昆虫関係者は「なんで中瀬君???」と思うかもしれませんが、養老先生のところに標本整理のバイトなどで出入りしているようで、お声がかかったようです。私とも縁があったので、この3人になりました。

以上、帯の写真が恥ずかしいという幼稚な理由で沈黙を貫いていたけれど、光文社新書の編集の古川さんに目聡く「ちゃんと告知してください」と言われてしまったので紹介します。

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明日からタイに

おととい、NHKが展示室からテレビの中継をしてくれた。今回の展示はテレビやラジオや新聞で紹介してもらえて、とてもありがたい。
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近頃は良いものをよく食べている。
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カイコとクワコを交尾させたら、無事に産卵、孵化した。
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合間を縫って学生に実験指導。
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明日からタイに出かけます。

怒涛の。。。

東京に行ってラジオに出たり、講演をしたりで、怒涛のような毎日を送っている。それで今週末からタイに行く。それまでやることが目白押し。

ラジオはTBSの「日曜天国」という人気番組だった。安住さんが司会なのだが、不調のため、柴田さんと代わりにお話しした。

 

畑近況

今日は朝早く大学に行って、午後から河野君と胎児中君に実験を指導し、涼しくなる夕方から畑に出かけた。
サトイモは暑いのが大好きなのか、すこぶる元気。
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トマトは湿気と酷暑で不調だが、そこそこ実がなっている。
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ピーマンとシシトウは先月半ばまではかなり収穫があり、頑張ってくれたけど、小休止といったところ。秋にまた沢山成るのだろうか。
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インゲンは終わり。何キロも収穫できた。
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オクラは最盛期。10本も植えたので、たくさん成るのだが、1週間おきにしか畑に行けず、オクラの実の成長に追いつけないので、毎回食べごろのものは多くない。
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サツマイモは元気。ちゃんとイモが成長しているのかは不明。
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ゴーヤーはようやく実が成り始めた。
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ジャガイモの跡に植えたエダマメ。少しずつ収穫できるように、種まきの時期をずらした。
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ラッカセイも繁茂している。地下で実っていることを祈る。
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糸島市の昆虫教室

7月30日は糸島市の昆虫採集教室だった。23名の参加者があり、まずは山で採集。いつも行く森は、最初の年(5年前)は全員カブトムシが採れたのだが、年々採れなくなり、今年は全員でクワガタ5頭程度だった。それから志摩歴史資料館で標本作製。5人で教えるのはけっこう大変。セミ教室でも思ったが、こういう手とり足とり教えるのは、1人に子供3人が適当な数である。

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東京へ

 月曜日の夕方から東京へ出かけていた。その夜は東大博物館の矢後さんとカハクの神保くん、メレ子さん、それに久しぶりに会う教え子のボスレーと飲んだ。
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 火曜日は午前中に出版社で打ち合わせがあって、夕方にジュンク堂で講演会があった。新刊の「きらめく甲虫」に関するもので、盛況だった。
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  なお、ジュンク堂池袋店では鈴木海花さんの「大昆虫展」がひらかれており、わたしも選書に参加させていただいた。
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 講演会の後に出版社関係の皆さんと打ち上げ。もともと風邪気味だったのだが、講演で喉を傷めて、それに追い打ちをかけるように飲み会で傷めた。
 今日は午前中に新聞の取材があって、幻冬舎の前田さんと築地へ。朝からまったく声がでないので、しばしば前田さんに通訳してもらった。
 取材後に布恒更科で「冷やし すだちそば」。味も見た目も涼しかった。一緒に頼んだ「白えびの天ぷら」もなかなか。
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ヴィ〜ナス

すごい新種の発見。

昨年夏に「ダーウィンが来た」の取材でカンボジアに行った際、毎日の昼休みに茶坊主こと柿添翔太郎君と採集した。撮影中は彼は独りで採集していた。

ある日、こちらが取材しているとき、彼から電話で「すごいものを見つけてしまいました」と震えた声で報告があった。わざわざ電話するなという声を呑み込んでその内容を尋ねると、「まさか」としか思えないものだった。

ホテルで落ち合い、実物を見たときには、驚きと悔しさのあまり色を失った。数年前に私が同じ場所で同属の新種、Termitotrox cupidoを発見し、世界最小のコガネムシとしてちょっとした話題になったのだが、本種はより大型で非常にかっこいい。しかも茶坊主は、私が散々調べたシロアリの巣で、私の不注意で見過ごしていた微環境で発見していた。完敗というほかなかった。

cupido同所的(シロアリ寄主は異なる)に見つかったので、古来よりクピド(キューピッド)一緒に描かれることが多いウェヌス(ヴィーナス)の存在を思いつき、本種にはvenusと命名した次第である。

雑誌のプレスリリース: http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/pp-lca071515.php

原著論文: http://zookeys.pensoft.net/articles.php?id=5672

 

近著のお知らせ 「アリのくらしに大接近」と「アリの巣のお客さん」

あかね書房から「アリのくらしに大接近」と「アリの巣のお客さん」という、それぞれアリと好蟻性昆虫に関する写真絵本が出版されます。

私(と編集の本郷さん)が文章、小松 貴と島田 拓が写真を担当しています。 絵本とはいっても、少し大人向けで、小学校高学年以上から大人まで楽しめる内容になっております。

とくに「アリのくらしに大接近」は未発表の変わったアリの写真がいっぱいで、虫に興味のある方なら、どなたでも楽しめます。「アリの巣のお客さん」も、「アリの巣の生きもの図鑑」に掲載されていない写真や新しい場面がたくさんあります。

 

また、8月8日にジュンク堂で関連する講演を行います。「きらめく甲虫」か、これらの本のどれかを購入していただければ、お聞きいただけます。福岡にお住まいで、これからご購入の方は、ぜひジュンク堂福岡店にてご注文をお願いします。

丸山宗利先生 新刊発売記念講演会 「きれいな甲虫 おもしろい昆虫」|ジュンク堂書店 福岡店|イベント・フェア詳細 |丸善&ジュンク堂ネットストア

 

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