近況1 本の予定など
マダガスカルからの帰国後は何かと忙しく、あっという間に4月が近づいてきてしまった。
アルティアムの展示は大成功で、10660名もの来場者があったそうだ。(私の立場としては)当館の宣伝になったのも良かったが、昆虫に普段興味がない人が、昆虫の美しさに開眼したとの声が多く、これこそ本当にやった甲斐があった。遠方からも多数の方々にお越しいただき、深くお礼申しあげます。
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最近では各種の原稿に追われていたが、それらもようやく一段落した。この夏に出る予定の本はいくつかあるが、1つは「じゅえき太郎」さんとの共著で、昆虫の雑学を面白おかしく紹介するもの。もう2つは「Microsculpture」というイギリス人カメラマンによる昆虫の微細構造の写真集の翻訳である。あともう一つ予定しているのだが、その話はまた。
実は私も微細構造の撮影に凝っていて、ちょうどその折にこの話が来たので、勉強を兼ねて引き受けた。この翻訳本の詳細はいずれ紹介する。
このごろは書籍出版の依頼がとても多く、とてもすべてはお引き受けできないし、返信すらままならない状況である。私としては出すからには反響があって欲しい(=売れて欲しい)と思っているので、自分が著者として出すからには妥協したくないと思っており、かといって昆虫の本は6-8月に出すのが鉄則で、その作業時間は必然的に2-4月に限られるので、そうなると出せる本の数も限られてくる(他の時期には他のことをやりたいというのもある)。
お話しをいただいた順を優先し、実現できるものから進めていきたいと思っているので、しばしお待ちください。(しかし、虫の本がこんなにたくさん出て、ある程度売れれはいるようだが、いつまでこのような状況が続くのであろうか。現在は虫本出版バブルとでも言う状況かもしれない。)
ラヌマファナ国立公園
1月27日に日本を経ち、28日の晩にマダガスカルのアンタナナリボに到着した。翌29日は政府機関、大学をまわり、許可手続きを進め、30日に車で10時間かけてラヌマファナ国立公園に到着した。ここには2月4日の朝まで滞在。実質4日間の調査だが、山道がとても厳しいし、目的の好蟻性昆虫は全然見つからなかったで、私としてはちょうどよい長さだった。環境はとてもよく、虫は全体に多い。
ここにはCentre ValBioという施設があり、非常に快適な調査となった。
森は渓谷の急斜面にあり、道の上り下りが非常にきつい。だからこそ奇跡的に森が残っていると思われる。アイアイなどのキツネザルが豊富な国立公園だが、原生林ではなかった。
あちこちにいるヨツメヒルヤモリ
スジツヤハナムグリ
キンイロジェントルキツネザル
ハイイロジェントルキツネザル
マダガスカルオナガヤママユ
キサントパンスズメ
キサントパンスズメの長い口吻
マユダカヒメカメレオン
展示開幕
天神イムズのアルティアムでの展示「密やかな部屋 きらめく昆虫標本」が始まった。
昨年の春、夏の展示の会場探しのついでに担当の方に挨拶をしたのがきっかけで、たまたま今回の会期に開場が空いていたことから、この展示の開催が決定した。
これまで10回以上昆虫展をやってきたが、いつかこのようなアートギャラリーでやりたいと思っており、ようやく思いが実現した。
アルティアムの担当の鈴田さんとデザイナーの大村さんと相談し、これまでにない展示ができたと思う。
今回の展示ではとにかく昆虫標本の美しさを見ていただきたいと思っているが、なにより一番の目標は、昆虫に興味のない人に昆虫に興味を持つきっかけを作っていただくことである。会場が完成して、その目標が多少とも叶いそうな気がした。
長い会期であり、今後の来場者の反応が楽しみである。
ガガイモ
秋口に咲いたいろいろなガガイモ
畑の最近
夏の忙しさで放置していた畑だが、雑草を除去し、かなりきれいになって、いろいろと植えて埋まってきた。
全景
A列
先週(11月4日)にタマネギを植えた。農協から安く買ったもので、かなり太くて立派であるが、逆に薹立ちしないか心配だ。
ハーブとサトイモ
ブロッコリーと桜島大根
ブロッコリーとタマネギ
タマネギとアンティチョーク(間にソラマメを植える予定)
B列
外国のダイコンとロケット
ラッカセイとニラ(ソラマメを植える予定)
ラッカセイはアライグマにやられてひどい。ネットをかぶせても、その間から器用に盗む。
ダイコン類
ミズナとダイコン
ニンジンとレタス
スイスチャード(フダンソウ)と芽キャベツ+ニンジン
フランス領ギアナ
10月15日~25日、ふたたびフレンチギアナに行ってきた。今回は某展示関係の出張だったが、いろいろと写真が撮れてよかった。目的はとくになかったが、楽しい虫がたくさん採れた。ツノゼミも新顔がいくつか。
ガガイモの花
忙しくてもこの世話が楽しみだった。毎晩、ヘッドライトをつけての世話。
Orbea sp.
Huernia whitesloaneana
Orbea decaisneana
Huernia x macrocarpa
Caralluma adscendens var. fimbriata
Huernia zebrina subsp. insigniflora
Huernia hystrix
Huernia aspera?
Huernia x verekeri
Piaranthus geminatus subsp. geminatus
Orbea semota
展示終了 生存報告
ケニアから帰ってから、ちょっと体調を崩した。この春も崩したし、年齢なんだろう。
そして元気になったと思ったら、7月末に公開展示の予算が無事について、それからその展示が8月15日に始まり、31日に無事終了するまではまさに怒涛の毎日だった。
おかげさまで、40,000人超えと、当館始まって以来の来場者数で、多くの方々に当館を知っていただくことができた。天神地下街でやるというのは数年前から温めて来た計画で、大成功だったと思う。
展示に来てくださった皆様。ご協力くださった皆様には心よりお礼申し上げます。
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学会も終わり、今週からようやく本来の仕事に復帰できた感じです。とりあえずヤルヤル詐欺の仕事を片付け、研究再開を目指します。お待たせしてる皆さん、ごめんなさい。
以上、天神地下街会場
以上、箱崎会場
以上、志摩歴史資料館の会場
カイコの教室
新刊! 『昆虫こわい』
もうすぐ(7/28)新刊が出ます!
アフリカ、南米、東南アジア...世界各地でおこなった昆虫調査の笑いと涙の旅行記です。
写真満載のオールカラーです(お買い得)。
この夏の一冊に、よろしくお願いします!
早めのご予約を!
以下、内容紹介
「体長わずか数ミリメートルの昆虫を求めて、アマゾンの密林や広大なサバンナへと世界を旅する著者は数々の恐ろしい目に遭ってきた。ペルーでは深夜の森で、帰り道の目印に置いた紙片をアリに運ばれ遭難しかけたり、カメルーンではかわいい顔したハエに刺されて死の病に怯えたり、ギアナでの虫採りが楽しすぎて不眠症になったり……。「昆虫こわい」と半ば本気で、半ば興奮を戒めるためにつぶやく著者の旅を追ううちに、虫の驚くべき生態や知られざる調査の実態がわかる、笑いと涙の昆虫旅行記。」
畑近況
A列
奥から、ラディッシュを抜いたあと。つるありインゲン。
ハーブ類。サトイモ。
オクラ。モロヘイヤ。
トマト。ひどくウリハムシにやられたズッキーニ。
ひどくニジュヤホシテントウにやられたナス。キュウリ。
アンティチョーク。カボチャ。
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B列
エダマメ。ツルムラサキ(間にスイスチャード)。
ラッカセイ。ニガウリ。
レタス。新たに蒔いたダイコン。
レタス。トウモロコシ。
パプリカ。ルッコラ(ロケット)。
エダマメ2畝
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以上。福岡は記録的な少雨で、畑の近所にお住まいの山仲間に水をやってもらい、とても助かっている。