断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

写真:タイ2012_1

昨日の右側の虫の生きたもの。これにはハッとした。

ウンモンスズメの仲間Callambulyx sp.。後翅が赤く、大変美しい種。触角のつけ根が白い筋で左右につながっているように見える。先日テレビで、ある国では眉毛のつながっている人が美人だと言っていたが、この蛾にもそんな基準が適用できそうだ。

クロコガネの仲間。不人気な甲虫だが、かわいらしいのでわたしは好んで採集する。自然度の高い場所ではこの仲間の種数が多い。Kaeng Krachanでは非常に種数が多く、楽しめた。

サスライアリ属Dorylusの雄アリ。この属はアフリカに繁栄する一群であるが、アジアにも少数の地下性小型種が生息する。今回は2種を得た。どちらも25ミリメートルほど。アフリカでは、働きアリ雄アリともに大きな種がいる。最大種は日本のスズメバチほどある…

かわいい蛾。

ヒゲブトオサムシ亜科のPseudozaena orientalis。原始的なヒゲブトオサムシの仲間で、アリとは関係はない。「お寒し」なのだが、ヒゲブトオサムシ亜科という言葉が頭にうかび、ついつい採ってしまう。プーと熱いおならして採集者の手を変色させる忌むべき昆…

美しいスジコガネの仲間。日本のドウガネブイブイやアオドウガネなどにやや近い仲間である。いろいろ飛来したが、とくに美しいものを2種紹介する。 胸のオレンジと翅の緑が美しい。おそらく毒のある甲虫に真似た色彩と思われる。 真っ白で、真珠の光沢がある…

灯火には少なからぬカマキリが飛来する。たいだい雄だけのことが多いが、種によっては雌雄両方が来る。灯火に引き寄せられるのだが、幕に到着すると、そこに集まった虫を捕食するものも少なくない。採集していて楽しい虫である。 Ambivia sp.(アシナガバチ…

Kaeng Krachanの哺乳類の密度は半端ではない。ゾウには威嚇されるし、夜に森を歩けば、ホエジカやらジャコウネコやらいろんな動物をみかける。ふつう、余程本気で探さない限り、一晩に多数の哺乳類を見ることはない。 昼間はサルの世界だ。このシロマブタザ…

いろんなカミキリが採れた。カミキリは、標本は好きだが、採集は好きではない。採集すると「触角をきれいに伸ばすのが面倒だな」と思ってしまうのである。好きなカミキリはノコギリカミキリやウスバカミキリの仲間(上3つ)だが、触角が短くて頑強なものが多…

ヒメサスライアリAenictusの雄。早い時間に灯火に飛来する。ここ数年、すっかりこの虫に魅了されてしまった。非常にかっこいい。 上はAenictus graclis、下はA. binghamiと思われる。

Kaeng Krachanは乾季の終わりで、カラッカラだった。着いた日に激しい雨が降ったが、その後帰るまでの1週間全く天水がなく、次第に道沿いの植物が萎れていった。当然、そんなところに虫の姿はない。しかし、いったいどこに隠れていたのか、灯火には多くの虫…

16日からKaeng Krachan国立公園へ移動。事前から知ってはいたが、すごい数のチョウに驚かされた。17日、18日は「タイの自然と風景」の林さんと「タイ・ネイチャリング」の青山さんにご案内いただき、私は滅法チョウに弱いので、いろいろとご教示いただいた。…

マレーシアの出来事が偶然かと思っていたのだが、こんどはタイでも同じくツムギアリがツノゼミに抱きつく様子を観察することができた。どうやら本気でツノゼミを守っているらしい。こうやって何分も微動だにしない。なんだか愛らしい光景ではないか。(と言…

このときは細谷さんのご依頼でネブトクワガタの一種を探していた。樹液の出る小さなうろがあり、そこには樹液と雨水が溜まっているのだが、ネブトクワガタはそこから腹部の先端だけを出して、ほとんど潜水するようにその液体を吸っていた。それで、捕まえよ…

大きなコバネジョウカイの一種。高橋さんによるとMicroichthyurus属やIchthyurus属辺りあたりではないかとのこと。近々献上して詳しく見ていただきたいと思います。(最初学名を間違っていました。高橋さん、すみません。それにしても「魚」という属名はこの…

今回は13-15日はタイ東部のチャンタブリやシラチャ周辺でタイ在住の牛島さんにお世話になり、その後16日から西部ペッチャブリのケンクラチャン国立公園で採集した。まずはチャンタブリの虫から。 ジェンキンスノコギリクワガタProsopocoilus jenkinsii。35ミ…