断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日もドタバタ。いくつか仕上げるべき原稿があり、手がつけられなくて困ってしまうが、タイで採集したツケだろう。
今日は藤沢周平の「闇の穴」を読み終えた。藤沢周平の本は空港で確実に売っているので、ひとまず見かけないものは買ってしまう。以前はあまり好きでなかったが、最近は好んで買うようになった。短編集が多く、旅先で気楽に読めるのもいい。「闇の穴」は庄内を舞台とした短編集で、私には最後の2編、「荒れ野」と「夜が軋む」がとくに面白く感じられた。民話的で宮本常一の「忘れられた日本人」を思い出した。

道端の崖でみつけたオサムシ類。
ヒトツメアオゴミムシChlaenius deliciolus。日本のと異なり、胸の黒い線がはっきりしている。お聞きしたところによると、日本にも黒い線の出るものがいるらしい。崖を這っているという習性を見出したら、とたんに簡単に採れるようになった。熱帯での採集はこういう些細なことに気付かないといけない。今回はのんびり採集したので、いろいろな昆虫の食草だとか習性に気付いて、大変勉強になった。

Heptodonta eugeniaというハンミョウ。ものすごく美しい。平坦な地面よりも斜めになった崖が好き。他のハンミョウは藪のなかに飛び込んだり、遠くに飛び去ってしまうが、これは比較的鈍感な種で、撮影は容易だった。