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「英国人写真家の見た明治日本―この世の楽園・日本: ハーバート=G.=ポンティング (著), 長岡 祥三(訳)」
ここ数日の行き帰りの車中、久しぶりに気持ちの良い本を読んだ。明治の日露戦争前後に日本を旅した英国人写真家ポンティングの旅行記である。日本人と日本文化を極めて好意的に紹介しており、日本人に生まれたことを誇りに思え、また嬉しく感じた。日本の職人、京都や富士山、鎌倉などの有名観光地、はたまた日本女性など、いろいろな日本の”美点”が紹介されている。なかには知らないことも多くあって、目から鱗が落ちることもしばしば。たとえば、富士山の中腹にある「馬返し」。これは急坂で馬が登れないという意味と思っていたが、実はこれ以上は神聖な場所なので、馬を入れてはいけないという意味だという。
また、長岡氏の訳の上手さ(日本語文法上の誤りは散見されるが)と日本語の美しさにも注目したい。上品に愛情込めて書かれたポンティング氏の文章の雰囲気が訳文にも活き活きと写されている(に違いない)。
- 作者: ハーバート・G・ポンティング,長岡祥三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/11
- メディア: 文庫
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