断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

アリ漬けの日々でアリを漬ける

昨日の帰りの23時ごろ、大久保駅のホームに着いたら、新宿で人身事故があったので、電車が30分ほど遅れるという放送がかかっていた。さらに遅れるかもしれないし、もしかしたら地下鉄の終電に間に合わないかもしれないので、結局高田馬場まで歩いた。東京で電車通勤していると、年に10回以上は人身事故の影響を受ける。

今日はつくばの秋野さんへ生きたアリとガスクロ分析用の試料を届けた。このところ炎天下で、郵便で送ると生きたアリが死ぬ恐れがあったからである。常磐線の牛久駅まで取りに来ていただいて、駅の近くの喫茶店(コーヒーが260円、茨城は物価が安いのか!)で打ち合わせを兼ねていろいろとお話しを伺った。うーん、やっぱり刺激になるなぁ!ちょっとのつもりが小一時間話し込んでしまった。

帰ってから、切片標本用の固定液に解剖したアリを漬ける作業を行う。固定液は新津さんから送っていただいたもので、速達で今朝届いた。ヨーロッパから届いたアリが元気なうちに固定したかったので、新津さんを少し急かしてしまった。慣れない作業だが、初めてのことでもあり、なんだかわくわくとした。二酸化炭素で仮死状態のアリを切断した。南無。

その後、ロシアで採集したアリの標本にどうしても解せないものがあったので、じっくり観察した。すると、これがいままでのいくつかの謎をすべて払拭するような発見だった。連日の作業で疲労が溜まり、今日は早く帰って休むつもりだったのだが、嬉しさと興奮で結局23時近くまで作業してしまった。帰り際に実験の準備をしたくなって実験室に電話したら、すでに閉めてしまったとのこと。明日は早く起きて実験しよう。

写真は先週末に素手で採集したアオタマムシ