断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

休日出勤

そろそろ溜まっている仕事量が限度を超え、尻に火がついてきた。今日は休日出勤で、いくつかの仕事をこなさなければならなかった。

まずは絵描き。非常に疲れるので、休み休みやる。描いていると、どうもロトリングの調子が悪い。使わないときにはインクを入れたまま放置し、そのあとに超音波洗浄器で洗うことが習慣になっていたが、超音波洗浄器で長時間洗うとペン先の芯部分が飛び出てしまうようだ。こうなると、もう使い物にならない。明日新しいのを買いに出かけるか…。

また、GCを使った化学分析試料のため、先日採集したテラニシケアリの大顎腺解剖を行った。昨年うまくいかなかったもので、どうやらこの種では大顎腺の内容物自体が少ない感じがした。大量に解剖し、量を稼いで分析に備える。

次に、フシボソクサアリの精巣の観察と撮影をした。この種と、この種とは結婚飛行の時期の異なるアリの雑種を見つけたので、いろいろと調べる必要があり、その一環として精巣の観察を行った。解剖して驚いたのは、その精巣の巨大さ。だいたい、腹部を切りはずし、少し触れただけで傷口から精子がこぼれ落ちてくる。この仲間の女王は長命で、数万の働きアリを生産するので、大量の精子を蓄える必要がある。

そのあと帰ろうかと思っていたら、鯨類の山田研の飲み会に誘っていただいたので、時間は遅かったが夕食をかねて参加させていただく。名古屋大の栗原さんというハンドウイルカの形態分類をしている学生さんがいて、その方とは初対面だった。形態分類に関するかなりしっかりとした自分の考えを持っているのには驚いた。現在の日本の動物分類に対する批判など、どれも納得するところが多く、とても共感できた。

気がつくとかなり遅くなってしまっていて、店を飛び出して駅まで走り、なんとか終電に間に合った。