断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日は発表の続きである。昨日と今朝飲んだ薬が効き、かなり調子がよい。計算違いでわずかな薬しか買わなかったが、藤原さんがいくつかの漢方薬を分けてくれ、助かった。

まさに朝から晩までは発表詰めで、こちらは聞いているだけだったが、かなり疲れた。19時過ぎに終わったが、最後のほうは皆さん集中力が足りなくなってきたのか、寝ている人やおしゃべりをしている人もいた。

それだけ中身の濃い発表が多かったわけだが、個人的にはドイツのMoogさんのアリ植物とCladomyrmaというアリの多様化の話し、Schmidtさんのハリアリ亜科の世界的な分子系統の仕事が面白かった。また、印象的だったのは、信州大の小松君のアリツカコオロギの発表だった。相当緊張していたが、しっかりと練習してあり、立派だった。吉村さんに藤原さん、九大の細石君、京大の田中君など、日本勢の若手の発表もすばらしかった。実は今回、自分も発表を予定していたのだが、抄録の提出期限にどうしても間に合わないと思い、キャンセルしてしまった。あとから聞くと、締め切りのずっと後に抄録を出した人も多かったようで、数名に叱られ、自分でも少し後悔した。

また、一昨日もそうだったが、主役である東南アジア諸国の若手研究者の発表もよかった。先進国の研究にひけをとらない、とまでは言わないが、前回よりは確実に進歩している。そして、そのような若手に対し、惜しみない激励と賞賛そしてアドバイスを与える山根さんや橋本さん、緒方さんの姿には、見習うべきものが多く、このようにしてANeTが出来ていったのだと感じた。

食後に解散し、みなさん街へ繰り出したが、私は風邪なので遠慮し、ヘッドライトを携えて小松君とアリツカコオロギ採集へ出かけた。大学構内でも3種ほどが採れる。ドブで大きなカエルの声がするので覗くと、アジアジムグリガエルが抱接していた。熱帯はカエルが豊富なだけあって、ほかにも大きな美声でなくヒキガエルの一種や、シロアゴガエルなどが見られた。

帰りは歩きながら今後の研究テーマなどを相談した。アリツカコオロギは面白い話題が尽きない。