断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日は久しぶりに虫の標本をさわることができた。正月に自宅で研究するための準備でもある。京大の松本さんがランビルでヒメサスライアリから採集された好蟻性ハネカクシをまとめる予定で、追加で送っていただいた液浸の乾燥標本作りを行った。うーん、楽しい!とりあえずはAenictus laevicepsというアリにつく(行列を一緒に歩く)種を扱う予定だが、昨年、標本を作っているうちに、”Aenictus laeviceps”に3種混じっていることに気付いた。その存在は先日のANeTで橋本さんからもお聞きすることができ、納得していた。一番面白いのは、”Aenictus laeviceps”の3種の違いは非常に微妙で難しいが、同居するハネカクシの種構成が明瞭に違うこと。ハネカクシは人間より鋭くアリの違いを見分けていたのだ。”Aenictus laeviceps”の3種はそっくりだし、生態も似たようなもののはずなのに、その特異性にどのような意義があるのか興味深い。