断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日は久しぶりに髪を切りに。伸びるのが早くて困る。朝一で店に行ったが、すごく待たされ、終わったら昼過ぎに。蕎麦屋によって科博へ。

今日もメール仕事のみ。木野村先生から久しぶりのご連絡。一緒に岐阜県の好蟻性昆虫をまとめる予定が決まった。「丸山・木野村で」とおっしゃるが、お世話になりっぱなしなので、それは無理です。新情報がすごく多いので、ローカルな話しといえども、それなりの和文誌に出さなくてはいけない。

ベルギーブリュッセルの博物館に標本を返したく、当地のキュレーターであるDidier Drugmand氏にメールを出し続けていたが、ことごとく帰ってきてしまっていた。周囲に聞いてもわかならいので、博物館のHPから適当な人に事情を聞いたところ、「彼はすでに働いていない。行方も知らない」とのこと。えーーーっ!つい最近まで親しくしていたのに。謎は深まる。

ウィーンの博物館のHarald Schillhammer氏と久しぶりにやりとり。九大で標本を探してきてほしいらしい。また、最近赤ちゃんが生まれたとのこと。奥さんがきれいだ。3年前にウィーンを訪れた折は新婚で、彼は43歳、奥さんは28歳だった。http://www.pbase.com/rovebeetle

京大の山田圭子さんから別刷りが届く。アリノタカラの生活史に関する論文で、Journal of Natural Historyに掲載されたものだ。非常に緻密な力作。絵も上手。

黒須さんが部屋に来て、Pellaの擬態の論文をさし上げる。掲載誌Insectes Sociauxでアクセス数がトップの論文だったので、気になったそうだ。擬態は面白い現象だが、それを検証して論文にした例はすごく少ない。それが人気の理由だろうか。伊藤さんのおんぶにだっこだったが、こういう面白い論文の共著にしていただいたことに感謝。

例によってSteiner夫妻から長い返信。今回は一日置いただけこのことはあり、内容も深い・・・面白い。ヨーロッパ個体群の蟻酸量の多さについて、二つの仮説を提示したのだが、片方には「very speculative!」とのこと。個人的にはその片方のほうがピンときているのだが。こういう、考えの大きな違いの背景を考えると面白い。

先のSeifert氏が書いた「Bernhard Seifert: Ameisen beobachten, bestimmen (アリの観察と同定)」が非常に欲しいのだが、夫妻に聞くとどうやら絶版で入手困難とのこと。この本はドイツ版(ドイツ語)「Hoelldobler & Wilson: Journey to the ants」みたいな内容で、ヨーロッパのアリに関するレビュー本のようだ。Seifert氏独自の視点で書かれたことが沢山記述されているはずで(引用を見ると)、日本と関係の深い種に関係する記述も多いはずなので、どうしても見たかった。ところが、2005年出版で改訂版が出たらしい。英語だったら嬉しいけど、ドイツ語でももちろん欲しい一冊。出たら紹介します。

写真は、今回の論文のPellaではないが、同じくPellaとその寄主の擬態関係:Pella ruficollisとその寄主であるLiometopum microcephalum。このハネカクシもアリのかなりの稀種で、実験には使えないだろう。

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