断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

分類学を志すある学生にあるテーマが与えられた。それを聞いて、その内容のつまらなさと、テーマ選択の不可解さに驚いた。分類学の指導教官は、「だれもやっていないから」という理由ばかりで、学生にテーマを与えるのが主流のようだが、今回もその例に漏れない。わたしの場合、最初はヒゲブトハネカクシAleocharaという分類群のまとめを修士でやることを予定していたが、当時助手で現在北大総合博にいる大原さんに「そんなのをやってどうする?絶対に好蟻性をやるべき」という忠告をいただき、急遽テーマを変更した。その後、学振に通ったり、他人の注目を浴びるようなことがあると、いつもテーマを好蟻性にしたことを幸運に思い、大原さんの的確な忠告に感謝する。