断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

北米のアリ相を知りたく、また同定のため、「Creighton: Ants of North America」が欲しいが、どうやっても見つからない。ハーバードの紀要だが、紀要のようなシリーズものは図書館から落ちないので、だれかの蔵書が放出されない限り入手できないだろう。

今日は予定通り原稿を仕上げた。カナダ産の好蟻性ハネカクシ数種に関する知見である。それに関連して、上記Creightonとにらめっこして、カナダのヤマアリ属Formicaの同定をするのに数時間を費やした。もちろん、そのままCreightonの体系が使えるはずはなく、学名の変遷も追う必要があった。5種を同定したが、1種だけ落ちないものがあった。どう頑張ってもFormica coloradensisにしか落ちないのだが、その種はカナダに分布していないし、少しだけ形態の記述にあわない。北米とカナダのアリはほとんどが共通だが、少しだけ様子が違うようで、他にも北米の個体群と変異のある種もあった。最初からカナダの検索表があればよいのだが、カナダという国は意外とアリ相の調査が進んでいない。

夕方からDNA実験室で送別会。斉藤大地君と福永杏さんが6月より科博を去ることになったので、この2人が今日の主役である。実験室で焼き鳥と寿司をつまみにスライドショーをしながら飲み会を行った。福永さんがオガサワラオオコウモリの調査の様子、西海さんがライデンの博物館の様子、私が中国やタイ、マレーシアの調査の様子を紹介した。

時間はあっという間に過ぎ、終電ギリギリで帰ることになった。久しぶりに楽しい飲み会だった。

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