断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨日に引き続きオサムシ科の甲虫を紹介する。今日はヒゲブトオサムシ亜科のPseudozaena sp.。ヒゲブトオサムシ亜科にはMetriini、Ozaenini、Protopaussini、Paussiniの4族が知られていて、和名を反映して「ヒゲブト」なのは全種が好蟻性と考えられるPaussiniの仲間だけである。Pseudozaena はOzaeniniの一群で、一様に写真のような変哲もない姿をしている。ヒゲブトオサムシ亜科の系統的位置はほぼ不明といってよいが、ミイデラゴミムシを代表とするホソクビゴミムシ族Brachininiを姉妹群とする説が最も有力なものの一つと考えられている(他に説があまりない)。その根拠に過酸化水素とヒドロキノンの反応によって腹部から強力な「おなら」を出す(仕組み)という共有派生形質がある。この種も触ると「プっ」とおならをし、触れた部分の皮膚には長く茶色い跡が残る。

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