断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

タロー君にシニアプロジェクト(卒論のようなもの)のテーマを与えたのは先日書いたとおりだが、大学院からのテーマとして、南米のグンタイアリの蟻客をしきりに勧めている。主にハネカクシをやることになり、Kistnerと重なるのだが、いろいろとやることがあって面白いはずである。個人的には私が旧世界サスライアリを、彼が新世界のグンタイアリをやることによって、互いに材料の融通を利かせようという目論見もある。

ここ数ヶ月のタロー君の成長振りを見ると、いろいろと面白いことをやってほしくなる。(僭越ながら)彼には素質があると感じ、だからこそ好蟻性種をやって欲しいと思う。虫全般に好きだし、手先が器用で、絵もうまい。今は砂に水が滲みこむように、どんどんと新しいことを吸収している。

今日も合間を縫ってマレーシアのマンマルコガネの標本作成。かなりきれいにできるようになった。また標本を作ると種間の違いが自分でよくわかり、いろいろなことに気づく。ここ数年は学振の研究費でアルバイトに標本を作ってもらったり、スロバキアの展足のプロに送って10頭1ユーロで作ってもらったりしていたが、自分で標本を作る意義を改めて感じている。それにしてもマンマルコガネの種数は増えるばかりで驚かされる。