断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

久々に虫の写真を。Eremoxeniniという好蟻性のミツギリゾウムシ科の一群で、そのなかでも特に立派なものを選んでみた。上がLeptamorphocephalusの一種でミャンマー産、下右がPaussobrentusの一種でタイ産、下左がMyremobrentus aterでコートヂボワール産。だいたい好蟻性のミツギリゾウムシの存在自体が一般に知られていないが、この仲間は珍種ぞろいなので、見る人が見たら鼻血ものの標本である。自分で撮影しながら眼福眼福。どなたかご自分の標本箱にこの仲間を見つけられましたらお貸しください。
なおこの仲間で生態の良く調べられているヨーロッパ南部産のAmorphocephala coronataでは、アリから口移しに給餌を受ける一方、アリのほうへも口から消化管の内容物を与えることがわかっている。好蟻性昆虫で唯一のアリとの栄養交換の例である。おそらく吐き戻す液にはアリを惹きつける成分が含まれているのだろう。また、頭部や触角、脚には分泌腺が発達していて、それらもアリとの共生に関係していることは疑いない。