断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝から畑の様子を見る。脇にクロナガアリの巣があって、この時期はせっせとイネ科の種子を運んでいる。まだうすら寒い朝からゆっくりと行列を作って草地を往来する健気さには心を動かされるものがある。ところでこのアリ、外に出て働くのは春の一時期と秋だけで、冬はもちろん、夏の長い期間も巣内で過ごしている。つまり種子の実る時期だけ収穫のために外へ出かけ、その間の季節は巣内で溜め込んだ餌を食べて暮らすのである。もちろん、巣内では掃除をしたり、幼虫を育てたり、それなりに忙しい毎日を送っているのだろう。私もある時期にせっせと虫を採りにでかけ、それ以外の時期を部屋に閉じこもってひたすら虫を消費するという生活を送りたいが、当然そうはいかない。

        • -

今年のEsakia(農学部昆虫学教室の雑誌)に載った論文2編:
Munetoshi Maruyama, 2008. Giraffaenictus eguchii (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae), a New Genus and Species of Fully Myrmecoid Myrmecophile from a Colony of Aenictus binghami (Hymenoptera, Formicidae, Aenictinae) in Vietnam. Esakia, (48): 51-56.
[Giraffaenictus eguchii(甲虫目、ハネカクシ科、ヒゲブトハネカクシ亜科)、ベトナムでヒメサスライアリの一種Aenictus binghami(ハチ目、アリ科、ヒメサスライアリ亜科)のコロニーから採集された完全蟻型の好蟻性生物の新属新種]
PDF
Munetoshi Maruyama, Yuji Katayama, Wanata Sakchoowong and Shûhei Nomura, 2008. First Record of Lebioderus (Coleoptera, Carabidae, Paussinae) from the Indochinese Peninsula, with Description of a New Species. Esakia, (48): 47-49.
[Lebioderus属(甲虫目、オサムシ科、ヒゲブトオサムシ亜科)のインドシナ半島からの初記録ならびに1新種の記載]
PDF