断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

エクアドルの写真はまだまだ続く。
今回も擬態の話し。
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ベニボタルには毒があり、各地でそれに擬態した昆虫がいる。擬態にはさまざまな形があり、代表的なものにベーツ型擬態とミュラー型擬態がある。ベーツ型擬態とは無毒の虫の毒のある虫への擬態、ミュラー型擬態とは毒のある虫が互いに姿を似せて警告色としての役割を際立たせる擬態である。ベニボタルでは双方の型の擬態者がいる。また、警告色とその擬態者の色には地域ごとの「流行」がある。ベニボタルを例にあげると、ユーラシアでは赤か赤地に黒い翅端と相場が決まっているが、アフリカと北米、南米では黄色に黒い帯のものが多い。エクアドルで見たものは典型的な南米の流行色で、上から手本のベニボタル、2番目はトゲハムシ、3番目はもうちょっと完成度の高いトゲハムシ、4番目はマダラガである。他にもカミキリや糞虫、ハエ、ハチなどに似た模様のものがいるらしい。毒針のあるハチはミュラー型擬態になるのだろう。それにしても徹底した模様の一致には驚かされる。