断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今回の目的はシロアリの共生昆虫とキバナガミズギワゴミムシだったのだが、西表でまずますの成果をあげたので、今日から石垣に渡ることにした。
朝起きるとすごい風。宿のおばさんによると上原便が欠航らしい。宿を出て港へ行き、大原港への送迎バスの時間を調べる。橋村さんは今日の昼過ぎの便で東京へ帰るので、あまり時間がない。昨日の最後に行った遊歩道へ行くことにした。
森へ向かう途中、科博の西海さんと岩見さんの乗った車とすれ違う。急いで追いかけ、奇遇ですねと挨拶した。
さて、遊歩道へ。短い間だったが、橋村さんはなかなかの成果だったようだ。私は鍬を持ってシロアリの巣を探すが、あまりよい菌園は見つからなかった。
橋村さんを上原へ送り、私は昨日の食堂で野菜ソーキソバを食べることにした。表示に偽りなく、量が多すぎて食べ切れなかった。
それからシロアリの巣探しを続けるが、良い場所はあらかた掘り尽くしてしまったようで、一昨日や昨日ほどの巣は見つからずじまいだった。
カーナビには沖縄の音楽がいろいろ録音されていて、じっくり聞いてみた。喜納昌吉ネーネーズおおたか静流、BEGIN、夏川りみなど。ネーネーズは日本のQuarteto em Cyだなと思った。CDを買いたい。
夕方の便へ石垣へ渡るので、レンタカーを返して、そのまま港まで送ってもらった。運転をしているお姉さんが大きな鍬を見て驚いていた。シロアリの調査ですと伝えると、「サニマイトですか」と駆除会社の名前を出した。こちらではシロアリの駆除業が繁盛するのだろう。上原港で送迎バスを待つ。どうやら人が多いようで、後から来た人は、送迎バスに乗れない様子だった。船中にはサニマイトの制服を着た人がいた。
石垣港でレンタカーを借りる。カーナビなしの古い車で、少し損をした気分だ。書類を書いている途中、レンタカー屋のお兄さんはばたばたと手を振って蚊を追い払っていた。それから昨年も訪れた「おいしん坊」という食堂で牛汁を食べる。食べている途中に蚊が手に止まって血を吸っていた。
ホテルでテレビを見ながらごろごろし、干潮の近づいた22時に干潟へ向かう。着いた瞬間、ヘッドライトの先にミナミキバナガミズギワゴミムシB. seticorneを見つける。どこにもかしこにもミナミキバナガミズギワゴミムシがおり、これはおかしいと思ったら、ヘッドライトに飛来していることがわかった。岩の上にヘッドライトを置いて干潟を照らし、飛来する個体を採集。たまに移動し、あっという間に200頭くらいが集まった。無限に採れそうなので、早々に切り上げる。
一方、キイロキバナガミズギワゴミムシはライトにこないので、干潟を走る個体を見つけ取りする。しかし、照らす先々にミナミキバナガが飛来し、顔にはものすごい数のナギサハネカクシがたかるので、嬉しいながらも採集しにくい状況だった。ハネカクシを吸ってむせるのは初めての経験だった。
次に、別のキバナガミズギワゴミムシを探して、事前に聞いておいた岩場のある場所へ行くが、環境が変わってしまったのか、全く見つけることができなかった。