断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

起きたら12時を過ぎていた。同じくらいに吉村さんも起き出す。田中君と吉村さんがラーメンを作ってくれた。松村さんは朝から採集に出ていたようで、昼に休憩に戻ってきた。
ひたすらに昨晩の蛍光灯トラップの採集品の整理を進める。金ピカのマンマルコガネやCnematoplatysという珍しいコガネムシ、ヒゲブトアリヅカムシ、オニミツギリゾウムシの仲間など、なかなか良い虫が入っていた。そして大きなネジレバネが! これは中瀬君に高く売れる。
今日は曇りで、非常に蒸し暑い。吉村さんが譲り受けてきたミツヅノコノハガエルや大型のヒキガエルを撮影するが、レンズが曇って困った。また、オオヒゲコメツキが跳ねる様子を動画で撮影した。

夕方に昨晩の大学生が、帰るので一緒に記念撮影してほしいとやってきた。18時前より雨。
夕飯は野菜炒めに辛い味付けのサバのトマト煮の缶詰を入れたもの。
20時に雨が止んだので、崖の上の蛍光灯を点灯に行く。雨で道がぬかるんでいるうえ、途中に大きな木が倒れていたので、道に迷ってしまった。
田中撮影
崖に上がる途中にすばらしいものを見つけた。ホッタヒメサスライアリAenictus hottaiの行軍が大型のハリアリOdontoponeraを襲っていたのである。得難い大型のヒメサスライアリで、これまでずっと探していたので、大変嬉しい。他種のニッチからして本種は大形のハリアリを捕食すると予想していたが、それが的中したのも嬉しかった。
帰りに道端に超大型、手のひらくらいののミツヅノコノハガエルを発見。田中君にほらと指をさすと、「豆ですか?」と言った。たしかにカエルの目の前にマメ科の芽生えがある。その後、私が持ち上げるまで気付かなかった。見事な隠蔽擬態なのだろう。今回大きなコノハガエルを見たいと思っていたので幸運だった。
田中撮影
宿舎に戻ると土砂降りに・・・。あーあ・・・。宿舎の明かりには大量の羽蟻。とくにヨコヅナアリの仲間の大きな雄が多い(雌は雄の100分の1程度)。今晩中に蛍光灯トラップの回収をするので、23時より仮眠。