断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日も平常通りの営業だった。
行きがけにタマネギの苗の根元が食われ、その根元に穴が開いているのを発見した。これはネキリムシに違いないと思い、スコップで掘り出すと丸々とした幼虫(カブラヤガかタマナヤガ)が出てきた。ダイコンを根元から食べたのもこいつに違いない。
そろそろ紅白を見に帰ります。2日に初売り出しの予定。
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今年1年の回顧
仕事篇

  • なんといっても春からの「昆虫のヒミツ」展が大きかった。3月から準備を始め、5月から本格化、9月に終わってからも残務があった。初めてのことで、こなすことに手一杯だったので、内容をよく吟味できなかったところがある。もう一度、昆虫の展示をやりたい。また宣伝が行き届かなかった。広報をいかにやるかが動員数の鍵であることを身に沁みて理解した。もちろん、面白かったし、先生方や学生さんのおかげもあり、総じて成功だったと思う。
  • 烏山標本の受け入れは博物館としても私個人としても非常に大きな出来事だった。とにかく内容の質が高く、なにより資産価値が高い。いただいた標本でできることがたくさんある。いかに活用するかが恩に報いることだ。
  • 農学部の4年生3人の卒論を指導することになった。指導そのものに困難はないが、DNAバーコーディングという材料で「研究」にすることの難しさを感じている。

研究篇

  • 2月の南米は印象的だった。しかし、調査自体が十分にできず、心残りは大きい。
  • 3月、9月、11月にマレーシア、10月にタイに行ったが、どれも大きな成果はなかった。ただ、この仕事を機に、専門外の昆虫も徹底して集める姿勢を身につけることができ、その点ではまずますの成果をあげることができた。相棒の小松君が博士論文に追われて同行できなかったのは残念だった。
  • 何しろ展示が忙しかったので、論文を書く隙があまりなかった。共著で進めている方にはご迷惑をおかけした。
  • 4年生の藤原さんが私の分の実験をがんばってくれ、クサアリのほうで大きな進展があったのは救いだった。停滞していた主材料だが、再開の目処が立った。