断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

午前中は所用で天神に出かけた。ウェストでかき揚げうどんを食べて、新しくできたパルコのリラックマストアに立ち寄り、いくつか使えそうなものを買った。「プレゼントですか」と訊かれた。
それから大学へ行き、金尾君の絵の図版作成。すでに1本分終わった。あとは文章。週明けに投稿したい。別に急いでいるわけではなく、こういう手順で休まずに作業をすれば、こういうふうに論文は出来上がる、というのを一度体験して欲しいのである。多少の忍耐や技術の習得は必要だが、分類という分野では、その機械的な部分をしっかりと計画的に行えば、論文の完成は必ず近づく。
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今回のマレーシア調査で原住民から書いとったキリギリスやカマキリの類。1枚目は3月11日に買取ったもの。2枚目は同14日に買取ったもの。同じ個体は含まれていない。ほんとにドッサリという感じで、キリギリスは12−15センチの巨大な奴がたくさんあった。巨大な奴でも、非常に種数が豊富で、1種1個体ものばかりだった。例えば、2枚目の写真の右上の巨大種の2個体は、そっくりだが、産卵管の形が全然違っていて、別種だった。同じく2枚目の左上のものは、みんな硬くて、甲虫のようなキリギリスだった。どんな声で鳴くのだろうか。飼育しても面白そうだ。
今回の調査で気づいたことは、自分がいかにキリギリスが好きかということである。はっきり言って下手な甲虫より好きである。子供の頃の記憶がよみがえる。いかにも残念なのは、きれいな標本を作るのが難しく、それに恐ろしく手間がかかること。とくに旅先で採集した標本はどうしても管理に限界があり、完全な標本は諦めざるをえない。一番理想的なのは、狩りバチの毒ような薬を注射して、半死半生の状態で日本に持ち帰り、新鮮な状態で標本の作成を開始することである。そういう薬はないだろうか。