断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今回の「昆蟲ニューシリーズ」は読み応えがあった。「分類学者は生物多様性条約にどう関わっていくべきか」特集で、著者には同世代の若手が多い。ところでこういうのを読むと、自分の研究ばっかりしていて良いのかと思う反面、自分くらいそうしたままのほうが良いのではないかとも思う。
久々に写真を載せる。ロクロックビオトシブミと勝手に呼んでいる異常に首の長いオトシブミの雌雄を入手した。写真は雄で、一緒に包まれていた雌は、ふつうのオトシブミの雌のような長さの頭部だった。首の長いオトシブミというとマダガスカルTrachelophorus giraffaが有名だが、形はこちらのほうがずっとすごい。しかしT. giraffaよりも随分と小さく、全長は1センチ弱しかない。
ところで、昆虫の大半はごく小さいにもかかわらず、展示には少数派である大型美麗種ばかりが使われる。しかし、このオトシブミのように、小さいながらも魅力的な姿の虫は多い。そこで、こういう写真を大きく打ち出して標本とともに展示すれば、昆虫展示の可能性は広がるのではないだろうかと思う。

太郎君がむし社に行ったという。「もじゃもじゃの人から1冊もらいました」と言っていた。もじゃもじゃの方ってYさんかな。