断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝から夕方まで学芸員資格の動物標本学実習。九大では、昆虫、魚類、哺乳類、海藻の4本立てで4日間行われる。今日は昆虫の日で、私が担当した。 2年に1回の担当なので、ちょっと頑張った。頑張ったようには見えなかったかもしれないけど。
まずは昆虫全般の説明。それから標本の重要性を説明する。要は何百年も使うものだから、1箇所も手を抜いてはいけないと。 もちろん、人間があと何百年も生き残っているかどうかは不明と申し添えた。
次に液浸標本の虫をスプーンでごっそりと配った。2009年の9月に中瀬君がマレーシアの灯火採集でごっそり採集し、良いものだけを抜いた残りである。配った虫の大部分が羽蟻なので、まずはそこから甲虫を抜き出してもらった。
午後から標本作製を開始。三角台紙を切るところから、平均台の使い方、虫の貼り方、ラベルの切り方、しつこいくらいに細かく教え、何度もやりなおしてもらった。
また山本君が実習に参加していたので、山本君に手伝ってもらった。午後の1時間はミッシとボスレにも来てもらい、標本作成のイロハを4人で指導した。


結果、1名あたり50頭作ることになり、22名の参加者だったので、合計1100頭が完成した。さすがに中瀬君が良い虫を粗方抜いたあとだったので(しつこい)、これはという虫は入っていなかったが、マレーシアの夜の微小甲虫では良い資料になるだろう。
しっかりと教えたつもりだったが、今ひとつの標本もいくつか混じっていた。それでも9割以上は充分に使える良い標本になったと思う。