断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝から収蔵展示室の引越しの下見等でバタバタとしていたが、合間に論文を書いた。
ふと思ったこと。学生が一から分類の研究を始める場合、当該分類群周辺(できるだけ幅広く)の関連文献を闇雲に読みあさり、その分類群のマニアになることが必要だと思う。それができないのは、興味がないということ。つまりそれ以上の発展はないということだろう。目に見える成果の得られそうな課題をこなすだけではダメ。学生のそのあたりの様子を見たい。
日本では虫屋が多いので、虫屋出身でない学生はその点で劣等感を持ったり、卑屈になってしまって、虫の知識を広げることを諦めてしまう。しかし、虫屋のいないアメリカの学生の大部分は、たとえ昆虫学の専攻でも、大学から昆虫の勉強を始める。そして、院生ともなると、虫屋出身でない人も、揃いも揃って驚くほど虫全般に詳しい。教育も良いのかもしれないが、興味を持って勉強すれば、虫屋でなくても虫の知識には関係ないということがよくわかった。