断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

7時半に起床。眠りすぎて頭が痛い。
ライトトラップを回収に行くが、案の定、ほとんど虫は入っていない。
9時半ごろに27kmポイントへ向けて出発する。トラックの荷台に乗るのだが、今日は距離が長く、お尻が痛かった。
ここはタイで最大の国立公園だそうだが、本当に森がすばらしい。ゾウによる林床の撹乱があり、林の所どころが藪になっている。大木はそれほど多くない。また所々にタケの林があり、ゾウが食べるために独特の株の形をしている。ゾウの多い森とはこういうものなのだろう。
27kmポイントではFITを仕掛ける。良い林ではあるが、林床が暗すぎて、FITにはあまりよくないかもしれないと思いつつ、ペイさんに手伝ってもらって小型のM式を15個仕掛けた。
FITを仕掛ける前にヒメサスライアリの行列を見つけたので、小松君に見てもらっていた。FIT設置後にそこへ戻ると、どうやら行列は引越しをしているらしい。引越しの行列にはハネカクシが見られる。じっと見ていると、次々にハネカクシがやってきた。嬉しい。ハネカクシはマレーシアやインドネシアのケブカヒメサスライアリAenictus gracilisのものと一見共通している。アリはケブカヒメサスライアリよりかなり大型で、近縁な別種のようだ。
しばらくすると行列に女王も現れた。やはりケブカヒメサスライアリの女王に似ているが、幾分毛が短い。
採集されたハネカクシは3属3種で、明らかにすべて新種だった。新属は採れなかったが、幸先がよい。今日はこれで満足。
それから昼食を食べ、野村さんの見つけた倒木で、クロツヤムシの坑道からマンマルコガネを採集したりした。

それから14時に16キロポイントへ行き、そこでさらにM式のFITを15基設置した。
小松君をそこに置いておき、我々は宿泊地へ戻った。
私は一休みしたのち、ツノゼミを探してスウィーピングをするが、普通の形のものが1頭採れたのみだった。
17時にペイさんら案内役の人たちが弁当とバナナをもってきてくれた。ペイさんは今晩一旦バンコクへ戻るという。
小松君が得意げな顔をして戻ってきたので、どうしたのか訊いたところ、オオズアリの巣からHaroldiusというコガネムシを採ったとのことだった。
夕食後、18時過ぎに川の近くにライトを仕掛けに出かける。それから、眠気と戦いつつ、20時半にライトを回収した。その際、かわいらしいマメジカを見かける。変わらず、ほとんどがヒメドロムシで、いやになる。
22時に就寝。