断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

11時の送迎バスで街へ降りようとしたら、ホステルの事務所に小松君がいて、何かを訊かれて困っている様子。何事かと駆け付けると、正義感の強そうな宿泊客のご婦人に「この人はあなたの連れ? ここに泊まっているの? いつから泊まっているの?」と矢継ぎ早に質問、というより尋問を受けた。どうやらカメラを持って宿舎のまわりをうろうろしていたら不審者扱いされたようだ。小松君は「反日感情丸出しだ!」と憤っていたが、相手はこちらが中国人だと思っていた様子だったので、関係ないだろう。確かに不審なのだから仕方ない。
今日も地下鉄の終点で降り、昨日とは別の場所に行くことにした。
まずは駅の近くの麺食堂で、削刀麺の坦坦麺を食べた。小さな食堂だったが、意外においしかった。小松君はワンタン麺だったが、それもおいしそうだった。

苦労してバス乗り場を見つけて、ようやくバスに乗り、目的の場所を目指す。しかし車窓からいかにも良い場所が見えたので、途中下車して、街に近い森で採集することにした。今日は暖かく、20℃以上ありそうだ。
小松君が小さなツノゼミを見つけたあと、崖を崩したらタイワンシロアリの仲間の菌園が出てきた。立派な菌園だったが、シロアリの種が悪かったようで、何も出てこなかった。残念。


それからさしたる成果もなく、牛糞にマグソコガネやダイコクコガネを見つけた程度で、街へ戻ることにした。
途中で香港公園という街中の公園で採集を試みるが、文字通りアリ一匹いなかった。

夕飯はトラムという路面電車に乗って、蛇を食べに出かけることにした。トラムは2階建て構造で、上の階は眺めがよい。ただ、安いせいか(1乗車20円程度)、ものすごい込みようで、車内はぎゅうぎゅう詰めだった。


蛇料理店は人気のようで、大混雑だった。店のおすすめで、みんなが注文している蛇のスープと血のソーセージが乗ったご飯のセット(メニューの「菊花五蛇羹一碗」)を注文した。この店の名物だけに、蛇のスープはたしかに美味しかった。蛇肉は硬い鶏肉のようで、きれいに肋骨が取ってあり、とても食べやすかった。しかし血のソーセージは強烈な味で、私は半分で降参した。気のせいか、食べ終わったら一気に体が温まった。