断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

久々の山登りで、ひどい筋肉痛・・。
今日は琉大出身で、ウミクワガタの分類をやっている太田悠造さんが遊びに来てくれた。なんと実家が数百メートルのご近所(江戸川区清新町)。お土産にケブカコフキコガネの雌雄とウミクワガタを頂戴した。

午後からミッシーとボスレーの卒論を見る。2人ともよく書けていた。よく本を読んでいるので、文章も上手い。
夕方にベトナムとブラジルのツノゼミの標本を作った。最近ようやくツノゼミ多様性や分類体系が見えてきた気がする(実に奥深い)。アジアやアフリカの旧世界では1つの亜科が多様化しているが、南米では複数の亜科のものがさらに爆発的に分化している。ツノゼミはやっぱり「南米の虫」である。
ツノゼミは3200種が600以上の属に分けられているが、属の区別は角の形による場合がほとんどで、明らかに分け過ぎの分類群である。しかし、系統的に考えると、明らかに大きく異なる形のものを大きくまとめるか、現在のように細かく分けるかを迫られることになり、やはりある程度細かく分けられているほうが便利なのかもしれないとも思う。
属以上の分類というのは、いかに系統的な裏付けがあっても、必ず恣意的なものにならざるを得ず、そのあたりは分類学者の感覚と研究者間の合意にかかっている。