断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝から濃霧におおわれ、時折小雨がちらついていた。朝起きると昨晩遅く帰って来た島田さんがハネカクシを手渡してくれた。今回の主目的だったもので、本当にありがたい。今回の調査の目的は早々に達せられた。あとは偶然の珍種を狙うのみ(変な言い方だが)。
今朝は小松君と出かけた。小松君が手にこんなキリギリスを持っていた。昨晩、飛んでいるのを捕まえたという。こういう保護色の虫は出来るだけ目立たないように形作られているので、イキイキとした写真を撮るのが難しい。

キイチゴの一種にいたマルツノゼミの一種Gargara sp.。これは広食性の種。

こちらは単食あるいは狭食性と思われるマルツノゼミの一種で、1種の植物にしか見つからず、そこには群生している。


他にも1種珍しいツノゼミを小松君が見つけたが、それは明日以降に撮影の予定。
今日は昼過ぎまで霧がかかっていたので、十分に気温が上がらず、肌寒い。灯火採集はやめにした。早めに夕食を食べ、暗くなる前から森を歩いた。
運良くAenictus cornutusの引越しを見つけた。珍しい種だが、以前に何も共生者が見つからなかった経験がある。残念ながら、今回もノミバエ程度でパッとせず。女王が見たかったが、それも現れなかった。引越しを見つけたときには過ぎ去ったあとだったのだろう。途中で合流した島田さんも同じくA. cornitusの引越しを見つけたというが、やはりノミバエだけだったようだ。このアリはかなり特殊化した樹上生種で、そのため運動能力に乏しい共生者が居つきにくいのだろう。