断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝6時半にホテルを出て、途中の店でワンタン麺(こちらの中華系では朝食の定番)を食べて、ランビル国立公園に向かう。今日から私は公園内にあるタミジハウスに宿泊するので、荷物も一緒に移動する。
今回の目的は樹上50メートル付近にある着生植物を徹底的に採集し、そのなかにいるアリやその他の動物の群集を調べることである。田中洋君(岡山大)、市岡さん(京大)、乾さん(大阪教育大)が木登り担当で、兵藤さん(岡山大)と菱さん(九大演習林)が同位体分析と土壌抽出、竹松さん(山口大)とその学生の川口君がシロアリ、清水さん(京大)がお手伝い全般、私は荷物運びと好蟻性昆虫や甲虫類担当で参加させていただいた。
市岡さんたちは先に入っており、今日は前日に採集されたLecanopterisというアリ共生シダから、内部に生息する昆虫を取り出す作業を行った。Pseudoanaplectinia yumotoiという好蟻性ゴキブリが多い。
タミジハウスにはその他、森林系の研究者が数人入っており、一緒に夕食を作って生活している。猫をかぶって大人しくすることにした。
今回の別の目的はヒメサスライアリとシロアリである。そこで毎晩森を徘徊することにした。
昨年訪れた小松君からの情報で、変わったツノゼミを見つけた。どうやらPoikilospermumという植物に固有のようで、おそらくコツノゼミTricentrusと思うが、いま一つわからない。幼虫が変わっている。


イラクサ科のつる性灌木Poikilospermumの一種。遠目にはDileniaという植物にそっくり。