断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨晩はネコにたっぷり餌をやったので、いままで以上に懐いてきて、一緒に寝ようとベッドに入ってくるが、足が泥だらけでシーツが汚れるので、追い払わざるを得なかった。結局、細石君のスーツケースのなかに落ち着いて、朝の5時ごろに揃って出て行った。

今日は朝からモイゼさんが来て、FRIMに連れて行ってくれることになっていたので、早く起きて待機する。しかし、10時になっても、12時になっても来ない。ようやく13時過ぎに「ヘイ、プロフェッサー!」と元気に登場した。どうして連絡をくれないのかとさすがにムッとした。
なにやら向こうの人たちが、会ってから許可を出すと言っているそうだが、今日は祝日のため間に合わないとのこと。結局、明日(帰国日)挨拶だけ行くことになった。
まあ、「こちらの時間」というのがある。
せっかくなので昼食にでかけた。その際に彼の研究しているツムギアリの話しを聞くが、注目すべきは彼の調査地にアリノスシジミが確実にいること。
「黄色くて丸くてツヤツヤした大きな虫が巣のなかをゆっくり歩いているんだよ。あれビートル?」
アリノスシジミの幼虫で間違いない。来年は必ず。
それからずっと雨で、調査最後の日は結局外に出られずじまいだった。
夕飯はイワシのトマトソースキャベツいため。
明日は帰国なので、ゆっくりと荷物を片づける。とくに飼育中だったツノゼミの幼虫を液浸にした。幸い、多くの種で成虫が羽化した。
このマルツノゼミの一種Gargara sp.は川沿いの集落で知久さんが幼虫を見つけたもので、凶暴なツムギアリに守られており、そこから連れ去るのに苦労した。雌がきれいな緑で感激した。羽化後にすぐに分散する種のようで、野外で成虫は全く見られなかった。他に、アカメガシワで採集した幼虫から真っ黒いマルツノゼミが羽化したのにはびっくりした。


昨日採集したVestigipoda maschwitziも飼育しているのだが、昨晩のうちに卵をうみ、それが今朝孵化した。孵化した幼虫は死んだアメイロアリに食いついた。飼育を続けられれば面白いだろう。