断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日は午後から学生が続々と。有本君は修士の課題の相談。なかなか難しい。「有本だから蟻がいいよ」などと冗談を言ったが、笑いごとではなかった。藤野さんは調査の予定。一昨年から修士課程でも講義がぎっしり入っているので、海外に出かける調整が難しい。まったく、授業のせいで研究ができないのだから、本末の転倒というものである。夕方、弘岡君と有本君と3人でFITを作成した。1人だと結構面倒だが、3人で話しながらやったら、あっちゅう間だった。

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昨日に続いてアリノスハナムグリ。台湾から中国南部、インドシナ北部にいる普通種のClinterocera davidi (Fairmaire, 1878)によく似ているが、かけ離れた産地のもので、実はすごい新種。例えるならば、ニューギニアでゾウが見つかったようなもの。移動能力の弱い分類群における地殻変動の遺産。こういうと大事件だけど、膨大な種数の昆虫において(わずかな率だが)少なからず見られるので、大した話題にはならない。私は腰が抜けるほどびっくりしたけれど。