断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

風邪は小康状態。まずまず良くなったので、夕方近くから大学へ。提出書類が多い。
今日は卒業式だったので、昆虫学教室へ様子を見に行く。まだ学生さんが残っていてよかった。今年は女子の4年生がいないので、きらびやかさはない。
帰ってきて標本を触る暇がないので、ひとまず全て冷凍にした。自分で扱う機会は当分なさそうだ。月刊無私の「甲虫界」もそろそろ書き始めなければ・・・。
そんななか、乾いてしまう前に蛾を1頭だけ展翅した。タイではマラリアを媒介するハマダラカが侵入しないよう、夜間は細心の注意を払ってテントに出入りしていたのだが、最後の晩、テントに入る瞬間にベニモンコノハの一種Phyllodes sp.もテントの中に入ってきた。こんな大きな虫に入られるようでは脇が甘いと冷や汗をかきつつ目をやると、その蛾が美しい個体であることに気付いた。この仲間は翅が脆いようで、襤褸襤褸になったものが多い。これは採集せねばと思い、静止した隙に背中に注射針を刺して捕えた。