断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

昨晩の便が遅れ、ギリギリの時間でソウルで乗り継ぎ、9時過ぎに福岡に着いた。そのまま大学へ直行し、緊急会議に参加した。
前にも書いたが、職場の専門研究員の阿部祥子さんの運営で、入院あるいは通院しているお子さんや親御さんを対象に、「ベッドサイドミュージアム」という企画が進行している。今日の午後からは福岡こども病院でひらかれる昆虫展示の準備をお手伝いした。寝転がっても観察できるよう、小さな標本箱や小さなパネルを作った。とても良い企画だと思う。それにしても、病気で博物館に行きたくても行けない子供がいるという事実をこれまでまったく認識しておらず、そのような視点の缺如を恥ずべきことだと感じた。
阿部さんのように、自分の可能性を発揮をして他人の笑顔を見る幸運をつかんだ人は、みんな良い顔をしている。この職業に就いて良かった点は、いろいろな分野の人との出会いだが、とくにそういう人を見ると、自分までが得した気持ちになる。(もちろん、阿部さんの事業は、単純な「楽しみ」のためではない。)
−−−−
今日から新しい標本作成のアルバイトの岡田さんが来てくれた。集中すると休息を忘れてしまう気質で、私に似ていると思った。仕事も丁寧でいい感じ。あとは本人が飽きないかどうかだろう。
−−−−
終電近くまで採集した虫の観察。今回は本当にすごいものがたくさん採れた。近年まれにみる成果だった。