断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今年の成果と反省

  • 1月のペルーを皮切りに、3月のタイ、5月の中国、6月のタイとカンボジア、8月のカンボジア、10月のマレーシアと、あちこち飛び回った。ペルーは当然面白かったが、新発見といえばカンボジアが断然だった。今年記載した1新属2新種のコガネムシがそれ。
  • 今年から修士1年の学生さんを3人受け持つことになった。ハネカクシ、アリ、ツノゼミ。楽しみが増えた。
  • 博物館の仕事も忙しかった。夏休みの展示のほか、学外展示が非常に多く、さらに来年伊都構内で始まる展示の標本収集も本格化している。来年の秋は目が回りそうだ。
  • 博物館業務以外の仕事で今年もっとも作業時間が長かったのは、「アリの巣をめぐる冒険」の執筆だった。2年前から書き始め、春から本格化、毎日毎日、構成を練りに練って時間をかけた。何人かにじっくり校正していただき、本を書くことの大変さを学び、とても良い経験となった。
  • 秋には昆虫学会で学会賞をいただき、「昆虫大学」(←報告記事)という催しに参加させていただいた。どちらも楽しい思い出になった。
  • 年明けに図鑑が出る(近日中に宣伝)。「アリの巣をめぐる冒険」のあとは、その執筆や編集に時間をかけた。
  • そのようなわけで、研究時間があまりとれなかった。よって論文生産性はきわめて低かった。ここ数年最低かもしれない。主著や英文3本のみ。一般書による普及啓蒙も大切な仕事なので、その点は生産的だった。
  • 今年も頑張ったと言ってよいだろう。

来年は、採集調査はほどほどに、実験や論文執筆に時間をかけたい。と思っているが、すでに海外調査予定が目白押し・・・。

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昨晩は明け方近くまで羽化の撮影をしていた。おかげで良い写真が撮れた。
今日は1200mの山地へ。高いところにはいるんじゃないかと睨んでいた目標の虫が見つかった。今回は全体に貧しい成果だが、目標は十分に達成できたし、思わぬものも採れた。本業のアリシロアリ系はサッパリ。
熱帯に行くとゴマダラオトシブミ属Paroplapoderusにトゲトゲのものが増えてくる。これはまだ優しいほうで、もっとトゲトゲした奴がいる。

きれいなカ科のなかま。詳細不明。

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年越しに日本から持参した蕎麦(ゴボ天と餅入り)と汁粉、きな粉餅。餅は「しゃぶしゃぶ餅」だが、とても使いやすいし、おいしい。