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断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

午後から博物館の公開講演会「自然史標本の最新作成技術と魅せ方」が開かれた。今年は私が講演会の当番であったことを年明けに知らされて、それから演者をお願いして今日に至った。
1番目は、大阪市立自然史博物館で「なにわホネホネ団」を結成し、骨格標本作成作業を中心にさまざまな活動をされている西澤真樹子さん。聴いているだけでわくわくするような内容で、博物館と市民のつながりが極まった一つの形が見えた。朗らかで楽しい方で、そのお人柄が何百人という団員をまとめる力になっているのと確信した。こういうのは会ってみないと分からい。
2番目は、「透明標本」作家の冨田伊織さん。とにかく透明標本が、ため息が出るほど美しい。この技術の第一人者として、国際的な評価も高い。しかし、根は完全な生きもの屋で、標本に対するひたむきな情熱が痛いほど伝わって来た。そのような情熱こそが、標本に芸術作品としての息吹を与えたのだろう。標本は本来美しいもの。その部分を強調した透明標本は、標本の審美的価値を高めるために重要な存在だと思う。
3番目は、私。割愛。
4番目は、兵庫県人と自然の博物館の三橋弘宗さん。封入標本とプラスティネーション技術を用い、標本の作製からその活用を草の根まで下ろした。今後の博物館の普及啓蒙活動において、もっとも注目される技術と手法だそう。三橋さんのすごいところは技術だけでなく、その活用法を最大限に考えていること。いま一番見習いたい博物館の研究者。
5番目は、当館の専門研究員(社会人研究生)の阿部祥子さん。このブログで何度か紹介している移動博物館「ベッドサイドミュージアム」の実践報告。これもまた博物館の持つ標本の可能性として、希望を与える内容だったと思う。一番喜んでもらえる人に見てもらえるのが、物にとっても、関係する人にとっても嬉しいのではないだろうか。そういう人への普及啓蒙は、打算的な言い方だが、もっともやりがいがあるのものの一つではないだろうか。
今回の演者構成は、三橋さんに相談して決めさせていただいたが、結果として大成功だったと思う。参加して下さった方々の評価も高かった。「生物学からはじめると取っ付きにくいが、展示から入ると多くのヒトが関わることができる」という三橋さんのお言葉が、今回の講演会の意味をよくあらわしていたと思う。13時から17時すぎまでの長丁場だったにもかかわらず、みなさん終始熱心に聞いてくださった。演者の方々、来場いただいた皆さんにお礼申し上げたい。
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懇親会は「モツ鍋いっちゃん」で大変盛り上がった。2次会は「赤のれん&とん吉」で、これまた盛り上がった。
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大阪の佐久間さんが関連するツイッターの発言をまとめてくださった。
http://togetter.com/li/461142