断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

人形は顔が命です

ピンセットは分類学者の命である。顕微鏡はいくらでも買えるけど、使いなれたピンセットはどこでも買えない。とくに最近は鋼鉄製の研ぎやすいピンセットが皆無で、新しいピンセットを買うに買えない。この写真は私の使っているピンセット。
左から、1番目と2番目は最近、中峰さんに頂いたもの。高校生のときに志賀昆虫で買って使っていたというものを下さった。本当にありがたい。日本のNoble社製の#3cと#5c。やや大きめの虫に最適。たしかに当時、志賀昆虫のカタログに書いてあった。
3番目は年輩の研究者が使っているDiamond社製の#4。少しごつい。博物館のペン立てに入っていたものを救出した。
5番目と6番目は私が20年以上使っているDumontの#5。腰が弱く、私の扱っているハネカクシには最高のもの。
7番目は最近のDumontの#5で、ステンレス製。今手に入るのはこれだけ(もう少し先の鈍いものもある)。これも使い慣れればよいのかもしれないが、やっぱり鋼鉄製が手になじむ。