断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

さて最終日である。6時半に起きて、テントをたたみ、できるだけ片づける。それから朝食を食べて、FITの回収にでかける。
まずは27km地点。ここは小型の丸山式を10器設置していた。標高は800m。良すぎる環境で、あまり期待していなかったが、予想以上に虫が多い(あまりに原生的だと、かえって虫が少ない)。初めて見る新種のヒゲブトオサムシも採れていた。林道を上って、わき道を下るのだが、帰りに車が登れなくなってしまった。これまでさまざまな場所で同様の経験をしてきたが、今回は熟練した運転手である。あくまで冷静に、試行錯誤を繰り返し、10回くらい登っては下るを繰り返し、ようやく抜け出すことができた。いろいろやっていたが、一番効果があったのは、タイヤの空気を抜いて、接地面を増やすことだった。これは勉強になったが、私のような素人がやったら、全部抜いてしまいそうで怖い。

次に20km地点。ここは小型を20器設置していた。ここはいかにも虫が多そうだったが、期待通りだった。かつて経験したことのない虫の量で、受け皿の底が虫で黒くなっていた。アリノスハナムグリや見たことのないかっこいいダイコクコガネが白眉だった。

最後に、17km地点。ここには大型のものを3つ設置していた。実績のある場所だけに、非常に収穫は多かった。ビニールを垂らし、屋根をつけるだけの簡単なものだが、ビニールがつるつるなので、とても効果的。ビニールは風が吹くと揺れるが、虫の飛ぶ時間(朝と夕方前)は風が止まるので、その点は心配ない。逆に固定すると、風が強いときに壊れてしまう。


また、その近くに設置した人糞にもいろいろな糞虫が来ていた。良い糞虫であるSynapsisも多い。

小松君は、林さんたちとあちこちまわっていたようだ。
昼過ぎにようやく片づけを終え、食費や案内料を清算し、私と小松君は林さんの車に乗せていただいて、バンコクへ戻ることにした。林さんのお宅でシャワーを浴びさせていただき、最後の宴会にお連れいただいた。
横山さんの奥さん(大変な美人)も参加し、6人でイサーン料理をご馳走になった。タイ東北部の料理で、どれもとてもおいしいものだった。なにからなにまで、みなさんにはお世話になった。ありがとうございました。