断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

朝から土砂降りの天気。8時ごろに小降りとなったが、採集に行ける天気ではないので、小説を読んだり、うとうとしたりして10時半ごろに外に出た。
まずはマルセグンタイアリの巣を見に行くが、変化がなく、行列は地下にあるようで、周囲にまったく見つからなかった。まさに歯が立たない状況。
昼食は牛肉と野菜のあんかけをご飯にかけたもの。中華丼としか思えなかった。
ゴンタがグンタイアリを見つけたというので、14時からジョー、小松君ともう一人、われわれの調査の様子を見たいというダニエル(Daniël)と4人で出かけることにした。とにかく遠いところで、小走りで1時間半ほどかかったが、そこにはグンタイアリはおらず、似たような雰囲気のハリアリの群れがいた。おそらく見間違えたのだろう。しかしその先にキバラグンタイアリEciton rapaxの行軍を見つけ、ちょうどアシナガバチの巣を襲っているところを観察することができた。
Cocococha(Lago Coco)という湖が近いとダニエルがいうので、ついでに寄ってみた。湖岸にボートがあり、それに乗るといろいろな生きものが見られるというので、ついでに乗ってみた。ついでのつもりが、これが思わぬ収穫で、すぐ近くにツメバケイ(4羽の群れ)やオオカワウソの群れ(6頭の家族)を観察することができた。どちらも野外で実物を見ることなど一生ないと思っていた生きもので、予期せぬ大きな幸運だった。ダニエルに感謝。
ちなみにカワウソのことをこちらではヌートリアという。「日本のヌートリア」はコイポと呼んでいた。



帰りは「バクの道」を通り、途中に巨大なオオツチグモ(タランチュラ)を見たりしながら、18時ごろには暗くなるので、前照灯をつけて歩き、19時にようやく宿舎に到着した。4時間半は歩きっぱなしで、地図上では18キロほど歩いた計算になる。午前中に4キロ歩いたので、今日は22キロも歩いた。明日起きられるだろうか。
灯火を設置し、スパゲティに鶏肉のトマトソースをかけた夕飯。
昨日よりはマシだったが、気温が低く、虫の飛来はいまひとつ。しかし、トッテツキツノゼミの一種Lycoderesなど、初めてのツノゼミも来てくれた。