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断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

激しい雨音で目覚める。きっとどこかの道が崩れているに違いなく、帰り道が心配になった。いまは乾季にあたる季節だが、ここは特別に雨の多い地域のようだ。
朝食の卵焼きを食べながら眺める庭にはハチドリが来ていて、シソ科植物の花で吸蜜していた。2種いて、どちらもすばらしく美しい種だった。

昨日の移動であまりに疲れていたので、7時の朝食後に再び眠り、雨の完全に止んだ11時ごろに起きだして、採集に出掛けた。
森に入ってみると見事な雲霧林で、ありとあらゆる木が着生植物とコケに覆われている。森のなかのギャップにキク科の植物があり、そこに立派なミツマタツノゼミPoppeaが群れていて、嬉しい収穫だった。どこにも非常に虫が多く、日当たりの良いところでは、きれいなコメツキやハムシが乱舞していた。

小松君に会うと、食堂前の庭にもツノゼミがたくさんいるという。そこで昼食後に探してみると、たしかにたくさんいる。見たことのない小型のヨツコブツノゼミBocydiumが嬉しいものだった。また、再び森に入ってアオイ科植物を見ると、一昨年ペルーで見つけたものと同じヨツコブツノゼミをたくさん見ることができた。ほかにも10属ほどのツノゼミが見つかった。これまでに収集したペルーの標本の大部分は低標高地のものなので、見たことのないものが多い。
また、夕食前に小松君がとんでもないものを見つけてきた。Termitaxis holmgreniという盲目無翅の好白蟻性コガネムシで、近縁なものがまったくおらず、所属が不明、1970年に新属新種として記載(Krikken, 1970)されて以来、一度も採集されていないものである。びっくりして、その巣のあるあたりを探索し、1頭追加することができた。巣を戻して、夜間にふたたび観察することにする。
夕食後に灯火採集。月が煌々と出ていて、話にならないくらいにダメだった。9時過ぎに早々に撤収。それから、庭でグンタイアリを見つけて追ってみたり(収穫なし)、森の中を歩いてみたりした。また、夕方にコガネムシを採集した巣をもう一度観察し、Termitaxisを少し追加することができた。1頭はDNA用に保存した。