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断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

「昆虫はすごい」の裏話2

「昆虫はすごい」の裏話1  の続き

http://dantyutei.hatenablog.com/entry/2014/08/12/011916

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それからまず簡単な目次(構成案)を作り、その次に少しずつ執筆をしていった。目次を作るにあたって、ひたすらに昆虫に関する面白い話題という観点、とくにヒトが文化的に行っていることに重なる話題に注目した。

ところで2006年から2007年のシカゴにいたとき、時間に余裕があったし、文献的に恵まれた環境だったので、毎日毎日数本の論文を読んでいった。とくにアリの生態に関するものや昆虫全般の系統に関するものである。それと、図書館で古い分類の文献(地域の総説や図鑑)を開いては、小説を読むように楽しんだ。あまり知られていないけれど、分類学の文献の「Biology」には、それまでにわかっている各分類群の生態情報が集約されていることが多いのである。

目次作成と執筆の際、それまでの記憶に加え、このときの知識が大いに役立った。だから、新しめの話題に関しては、ほとんど2007年より前の研究成果のものである。そもそも昆虫について、誰が読んでも面白いような話題なんて、数年に1つあるかないかであって、2008年以降のものを丁寧に当たって行っても、ほとんど意味がなかった。だから、この「怠慢」はそれほど問題ではない。(この点、吉澤さんのトリカヘチャタテは稀にみる面白い発見である。)

また、小松君と何回か「ふなよし」へ食事に行って、いくつか新しい話しを引きだした。本書の話題の2つか3つは小松君が提供してくれたものである。彼の雑学はすごい。彼の年代前後で、彼ほど虫に詳しい人間を知らない。

宣伝のために少々自賛すると、今回の本には、日本の一般書に出たことのない話題が満載である。実は話題選びではその点にも注意した。他の本に普通に出ていることを改めて本にする価値はないからである。だから、一般の方だけでなく、昆虫専門の方にも読み応えがある内容と思う。

つづく