断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

投函

やっと要旨を投函した。今回は自分の発表原稿に加え、地表性甲虫談話会の小集会とシンポジウムの第二部のとりまとめを行ったので、予想以上にそのチェックの準備に手間取ってしまった。 溜まっていたメールの一部に返事をし、今日は早々に引き上げる。帰りに…

学会準備

今日は学会準備に明け暮れた。昼過ぎから共著者のSteiner夫妻(ウィーン)とメールでやり取りを続け、実験結果と要旨の内容について議論をした。向こうは早朝だが、実に要領の良いやりとりができた。今回はケアリ属の系統解析でBMCMC、NJ、MPの各方法により…

「明治日本見聞録 英国人家庭教師婦人の回想:エセル=ハワード(著)、島津久大(訳)」 これは先日の「英国人写真家…」と同じ講談社学術文庫の「幕末・明治の激動の時代」シリーズの一つである。これも大変に面白かった。明治34年から7年間、元鹿児島島津…

プライスレス!

A型肝炎の予防接種7500円、破傷風の予防接種3400円、日本脳炎の予防接種5300円、マラリアの予防内服6400円、プライスレス。 今日はインドネシア調査申請に必要な英文健康診断書をもらいに、国立国際医療センターへ行ってきた。そこでついでにインドネシア調…

木野村先生との採集

昨日今日と木野村先生のご案内で岐阜で採集をすることができた。先生は高校教師であると同時に、優れたアリの研究者である。その先生が昨年、岐阜県内の好蟻性昆虫を共同で調査することを申し出てくださり、今年もご挨拶を兼ねてうかがう機会を得た。 今回の…

週末の旅行

今日はすべての無事に実験を終わらせ、データをウィーンへ送った。締め切り前に仕事を終わらせると気分がよい。 夕方から新幹線に駆け込み、名古屋へ向かう。今日はタマムシ屋の福富君をはじめ、名城大学の関係者と飲む約束になっていた。 7時過ぎに名古屋駅…

今日も実験

秋にインドネシア調査が予定されており、それの調査許可申請に必要な書類を準備している。いちばん面倒なのは医師による「この人は健康に調査できます」という英文の手紙であり、都内でこれを書いてくれるところがなかなか見つからなかった。科博の上野先生…

重要文献届く

ウクライナのアリ研究者であるRadchenko氏から別刷り(ポーランド科学アカデミーの雑誌Annales Zoologiciに掲載されたもの)が届いた。ちょうど彼がポーランドでその別刷りを受け取ったときにこちらが催促のメールをしたため、とてもタイミングが良かった。 …

また実験

今日もまた実験。共同研究者のSchteiner夫妻が26日までバカンスであるが、帰ってくるまでにデータを渡す約束をしている。また、今週末は岐阜の木野村先生をお邪魔し、採集にお連れいただく予定であり、実際には金曜夕方までにデータを揃える必要がある。木曜…

映画

銀座で「スカーレット・レター」を見た。 主演女優が出演後に自殺した話題作であるが、それはともかく面白かった。男女の愛憎を描いた作品は数あれど、これほど情景として陰惨なしめくくりは考えられない。 15R指定だが、それほどの場面はない。

気分転換

用事の合間を縫って、横浜美術館の「ルーブル美術館展」を見に行く。 着いて早々、長蛇の列に愕然とする。しかし、意外と行列は早く進んでおり、25分待ちとのことで一安心。 中も大変な混雑で、ひとつの絵を見るのに10分以上かかる。全部の絵を見終わるのに3…

「英国人写真家の見た明治日本―この世の楽園・日本: ハーバート=G.=ポンティング (著), 長岡 祥三(訳)」 ここ数日の行き帰りの車中、久しぶりに気持ちの良い本を読んだ。明治の日露戦争前後に日本を旅した英国人写真家ポンティングの旅行記である。日本…

ゴキブリ

今日は実験。その前にマレーシアで採集した昆虫標本の整理を少し行い、マンマルコガネと好蟻性のマメダルマコガネを標本にした。大量の虫を採集してきてしまうと、その整理に時間がとられてしまう。しかし、選り好みしてあまり採集しないというのも、調査と…

カブトムシ

今朝起きたらカブトムシが羽化して水槽の中を歩き回っていた。今年の4月に房総半島で幼虫を採集してきて、それが無事に成長したものである。早速手に乗せて遊ぶ。こういうとき、幼年時代の気分にふと返ってしまう。今日は2匹。明日から何匹でてくるだろうか…

アリヅカコオロギの標本

沖縄の杉本君からアリヅカコオロギ、ウミハネカクシ、ヒゲブトテントウダマシの標本が届く。いつも気を遣ってもらって、感謝に堪えない。 アリヅカコオロギは驚くような種で、おそらく新種、少なくとも日本未記録種である。早速、溜まっていた標本とともに信…

女子大生と・・・

今日は教え子の女子大生を科博へ案内し、そのあと食事とともに上野で軽く一杯。 当たり前だが、とても若くて元気で、こちらまで元気をいただいた。 「Ramon Leal&Beatrice Binotti: Bossanova 2001」 ヨーロッパ製ボサノバのなかでも、Ramon Leal製作のなか…

Kistner氏の別刷り

昨日、ChicoのKistner氏より、Sociobiologyに出版された彼の論文の別刷りが届いた。 まず特筆すべきは彼の奥様であるAlzadaさんが亡くなられたとのこと。別刷りにその追悼文が含まれていた。Alzadaさんは長年にわたってKistner氏の研究を支え、調査も共にさ…

また実験

昨日は夕方に31種分のPCRをセットして帰った。そのなかには今回抽出した貴重な材料や、10日間放置されたDNA溶液によるものもあったので、結果が大変気になった。 オーバーナイトのつもりが、どうやら夜中に西海さんが冷蔵庫へ移してくださったようだ。どうも…

Scarabatermes

どうしても欲しい虫がいくつかある。その一つに、腹部の膨満した好白蟻性のコガネムシというものがあった。シロアリ社会に上手に溶け込むために、腹部をシロアリのように柔らかく膨らませている昆虫である。現在準備中の居候昆虫の世界を紹介する本にどうし…

実験続き

夕方まで雑用に見舞われ、その後、DNA抽出の続きを行った。無事に取れているかどうか、明日のPCRによって判明する。貴重な標本だけに、いつもとは勝手が違う。この標本により、論文全体の重みが変わってくる。なにしろ、重要でありながら、いままで誰もDNAで…

ハリアリ

マレーシアとロシアで採集した標本をそれぞれ必要な人へ仕分けする作業を進めている。 今日はハリアリ亜科の標本をアリゾナ大学のSchmidt氏へ送った。標本を仕分けしたり、ラベルを印刷したり、それを切って標本瓶の中に入れたり、結構時間のかかる作業であ…

「鎌田 慧: ドキュメント屠場」 ここ数年、機会があると被差別部落関係の本を読んでいる。屠場とそれを取り巻く問題は、食生活という点でわたしたちと遠からぬ関係がありながらも、一般には知ることのない世界である。屠場とは食肉解体工場のことであり、古…

仕事の山

帰国後は当然慌しい。なにしろ1ヶ月近くのメールが溜まっているのだから。それに、自分の仕事ととして、これからやらなくてはいけないことが山積している。そんなこんなで心身ともに休む間もなく、帰国後体調がわるい。科博のみんなにも心配をかけているよう…

アリ

ウラジオストク調査の最大の目的は現在研究中のアリのDNA抽出用標本である。極東は日本の動物相を知る上で極めて重要な地域であるが、入国の問題から近年まで調査が難しく、研究者にとっては中国と並んで垂涎の調査地であった。 今回はかなりの成果があり、…

ロシア帰り

昨日の昼、ウラジオストクから帰ってきた。GW明けから2週間以上マレーシアで調査し、そのあとわずか4日間をおいてロシアへ旅立った。本当に怒涛のように5月は過ぎた。光陰矢の如し。焦りばかりがつのる。 「Linda: Ana Martins」 Joyceの次女、Ana Martins2…