断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

毎週恒例の採集へ。今日はPalos Forest Preserve。タロー君と10時に駅で待ち合わせし、現地のバス停には11時半に着いた。今日は朝から晴天だが、気温は25度程度と涼しくて気持ちよい。 最初に先々週に見つけた鹿の死体を森へ運ぶことにした。すでに肉は分解…

明日は採集にでかける予定で、その写真を載せることになるので、マレーシアの写真は今日で最後としたい。最後くらい自分の専門を。これもすでに紹介した種の別カット。ヒメサスライアリの一種Aenictus cf. laevicepsの巣にいるWeissflogia rhopalogasterであ…

腐肉に集まるアツバコガネ科の仲間である。多数採集して差し上げたら喜んでいただけたのだが、あまりにも普通にみかけるので、私にとってはつまらない虫の筆頭格である。また、先日大人気で、私も大好きなマンマルコガネ科に近縁とされる(もしくはマンマル…

ネタ切れ間近につき、既に登場した種の別カット。クワガタアリの一種Harpegnathos sp.の脱翅メスである。日記にも書いたが、小松君が執拗といっていいほどまでに捜し求めていたアリで、小松君が帰ったあとに見つけて思わずニンマリしてしまった。いちど働き…

カレハバッタの一種Chorotypus sp.。バッタ目(直翅目)の虫を探そうというとき、明るい草原を歩くと色とりどりの真正のバッタ(バッタ亜目)の仲間が目に付き、暗い林床に入るとこんどはコオロギやキリギリス(キリギリス亜目)の仲間が多くなる。そんなな…

一昨日は寝る前に「白夜行」を読み始めた。読書は活字を読まないと眠れないための習慣である。軽く触りだけ読もうと思ったのだが、あまりの面白さに気がついたら空が白み始めていた。昨日は寝不足で採集。そして今朝は大寝坊。 博物館へ行く途中、花壇を耕す…

今日は毎週恒例の採集へ。最初はいつものPalos Forest Reserveへ行く予定だったのだが、キノコ研究者のケンタロー夫妻がインディアナ州の北部(シカゴの少し南)のほうへ電車で行くというので、それについていくことにした。朝の8:06にタロー君とともにRoose…

一昨年は東大にいる神保君と今年めでたく徳島の博物館に就職した山田君と3人でマレーシアに行った。神保君が蛾屋なので、毎晩屋台(ライトトラップ)を開いたのだが、そのときに悩まされたのがこのドクガである。山田君は運良く被害を免れたが、最初に神保君…

岩崎卓爾にちなんでイワサキコノハDichrochalia bisaltide。裏面を木の葉に擬態したタテハチョウの仲間で、日本では迷蝶といしてたまに飛来する。岩崎卓爾が最初に日本で見つけたことから、和名にその名を冠している。このようなチョウをその時代に採集して…

糞ふんフンの話。食事中の方は食後30分以上経ってから見てください。 糞虫といえば、多くの人は、古代エジプトでは神聖化され、ファーブルの観察でも有名なスカラベ(Scarabaeus spp.)を思い浮かべるだろう。そして虫が好きな人であれば誰しもその糞玉を転…

とうとう自分の写真がほとんど底をついた。これが最後かもしれないし、あと数枚出せるかもしれない。これからは小松君の写真頼みになるだろう。 それぞれヨロイバエ科とミズアブ科のきれいなハエである。ヨロイバエ科は日本には分布しないが、台湾以南の熱帯…

もうすこしマンマルコガネで引っ張ってみる。今日は小松君の写真から。一番下の写真のように、夜間はシロアリの巣の壁のなかに潜んでいる。幼虫は巣材を食べ、蛹化も巣材のなかで行われる。寄主は圧倒的にイエシロアリ属Coptotermesの一種が好きなようで、お…

今日は虎の子を出そう。マンマルコガネCeratocanthidaeの仲間である。今回の調査では10種以上、500頭ほど採集した。シロアリの巣に棲むものが多く、一部はクロツヤムシの坑道でも発見される。その名のとおり、丸くなる。丸くなるといっても性格が穏やかにな…

紹介し忘れていたが、科博にいたときに監修させていただいた本。鳥の部分は西海さんが担当。身近な鳥と虫が写真とともに解説してあり、それらを詠んだ俳句が引用されている。この手の本としては全体によくできていると思う。週末の趣味人に向けた本なので、…

今日もタロー君と採集へ。いつもと同じPalos Forest Reserveに行く。専門の好蟻性昆虫はほとんど完全に終わってしまったので、これからは遊びの採集と運動不足解消のための山歩きを目的とする。 10:15に現地のバスを降りる。前回あまり採れなかったタマムシ…

熱帯の土壌から採集できる甲虫で、最も多様性が高く、個体数も多いのは、ハネカクシである。そしてその中でも最も形態的な多様性が著しいものがアリヅカムシ亜科である。大きなものでも4mm止まり、小さなものは1mm程度だが、どれも個性的な姿をしている。写…

よく見ると違う甲虫。3種とも青い体に先端の白い触角というよく似た配色をしているが、実はそれぞれまったく別の科に属する。上段がハムシ(ハムシ科)で、中段がハムシダマシ(ゴミムシダマシ科)、下段がヘリハネムシ(アリモドキ科)である。上のハムシが…

というよりプロジェクトの紹介である。「Assembling the Beetle Tree of Life (BToL)」というもので、一言で表せば世界中の甲虫を対象とした系統関係の解明とそれに関するデータベースの構築である。詳しくは「Project Description」を読んでほしいが、とに…

今日は小松君の写真からトンボをまとめて。川沿いの湿った森なので、あちこちにトンボが多い。上のカワトンボの一種Vestalis gracilisで、もっとも普通に見られるトンボ。翅は少し曇った透明なのだが、飛んで太陽光が反射すると青く輝く。普通に撮ると透明な…

草色のきれいなセミDundubia sp.。最初に採集したときにはうれしかったが、毎晩テーブルの明かりに来ては作業を邪魔するので、だんだんと迷惑なセミになってきた。Gombakだけで少なくとも3種は見かけたが、実際にはもっといるだろう。残念ながら、酢酸エチル…

ニュートンさんとマーガレットさんが採集にでかけるというので、タロー君とともに便乗させていただくことになった。10時にアパートの前で拾っていただき、まずは車で15分ほどのOttawa Trail Woodという森へ行く。ここもセミの多い場所である。最盛期を過ぎた…

Bug Guide Net。アメリカとカナダの昆虫、クモ、昆虫でない虫の総合的な掲示板サイト。画像1枚がスレッドになり、同定が行われ、最終的にスレッドは分類群別にまとめられる。(不満がないわけではないが)とてもよくできていて、こういうのが日本にあったら…

Diatelium wallaceiというデオキノコムシ亜科(ハネカクシ科)の一種。メスは普通のデオキノコムシの姿をしているが、オスは写真のように異常なまでに長い首を持っている。他の甲虫ではオトシブミに似たようなものがおり、それらは首を使ってオス同士が戦う…

今日も小松君の写真。ショウガの新芽にツノアブラムシの仲間Pseudoregma sundanica?(写真上:兵隊)がいて、ツムギアリの保護を受けている。しかし、そのような強力な保護者がいるにもかかわらず、ヨツボシテントウの一種Phymatosternus sp.は悠然とアブラ…

これからしばらく雨が続くようなので、タロー君を誘い、最後の「春」を見に再びPalos Forest Reserveへ出かけた。11時半にバス停へ到着。今朝の気温は9℃しかなかったのだが、すでに20℃を超えている。 セミは最盛期という感じで、朽木の下に待機している幼虫…

Amalops larutensisというアカガエル科の美しいカエル。やや華奢だが、イシカワガエルに似たような雰囲気もある。渓流で生活し、昼間は水中の石の下にいるようだが、一度、宿舎の玄関で見つけたことがある。Amalops属の種は東南アジア一帯に広く分布し、地理…

ツムギアリOecophylla smaragdina(上)はかなり攻撃性の高いアリであることから、おそらく鳥などに嫌われるのであろうか、擬態のモデルにされることが多い。良く目につくものでは、クモとハエがある。下の2枚の写真はツムギアリの巣のそばにいるクモで、形…

今日はタロー君とPalos Forest Reserveへ採集に出かけた。9:30にRoosevelt駅で待ち合わせし、10時過ぎにMidway駅に到着、40分ほど時間をつぶしてそこからバスに乗り、Palos Forest Reserve最寄のバス停に着いたのは11:30だった。そこから採集をしながら森を…

もう一つ、カマキリの多様性もマレーシアと日本では比べようもない。日本では緑か茶色で似たような形のものばかりだが、マレーシアではランカマキリやカレハカマキリに代表されるように、実にさまざまな姿のカマキリが見られる。写真の種は少し見慣れないも…

先日触れた農大式吸虫管の作り方が長島君のブログに詳しく解説されていた。↓http://flatbugs.blog76.fc2.com/blog-entry-54.html しかし作るのには相当に時間がかかるし、毎年使えるものなので、5000円でも買ったほうが安いと思う。唯一の欠点は先端の吸い込…