断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

長い触角をもち、雌が長い産卵管を有するキリギリスやコオロギの仲間は、Ensiferaと呼ばれる。鳴くのが得意で、多くは左右の翅を擦り合わせて大きな音を出す(無翅のものは除く。コロギスなど翅を擦らないものもいる)。一方、同じバッタ目(直翅目)でも、…

午前中は烏山標本の件で西日本新聞の取材を受ける。標本を抱えて写真を撮られたり。 書類作りの合間に実験の指導。劉さんがプライマーを溶かすのに間違えてエタノールを入れてしまったという。注文しなおしたと聞き、すぐにキャンセルしてもらう。普通に遠心…

烏山さんの標本より、翅の退化したキリギリス科の仲間。アフリカとその周辺に固有のHetrodinae亜科に属する。どれも5センチ以上あり、恐ろしげな姿をしている。鳴くのかどうか不思議に思っていたが、一番下の種では、雄の前胸背板の後縁が盛り上がっており、…

図録編集大詰め。山本君に論文のネタを与える。学生さんの実験指導などなど。 あちこちまわるついでにDELLのパソコンを注文した。国産メーカーのノートの1/3の安さにびっくり。納品には時間がかかるらしいが、楽しみだ。

クリックありがとうございます→ 森の中は暗く、動く生き物のストロボなしの撮影は不可能に近い。それでいつも「夜の写真」になってしまって、それが自分の写真の不服な点なのだが、こういう虫の場合は効果的である。ガ(ヤガ科?)の幼虫。(Apr 12 2007, Ul…

そういえば、先日の日記の魚はアオギスです。来年は30センチ級を手に入れて展示で使いたい。 鈴木まほろさんの日記は「仕事日誌」だったのだが、「仕事だけじゃない日誌」に変わっていた。私の場合、研究のことはできるだけ書かないようにしていたが、いまや…

マレーシアの写真は続きます→ 胸の細長いカマキリ。カマキリといえば、一度ケンランカマキリを野外で見てみたいものだ。(Apr 15 2007, Ulu Gombak, Malaysia)

マレーシアの写真は続きます→ ハリナシバチの一種Trigona sp.。最初にマレーシアに行ったときに感激したムシの一つである。その名のとおり針がなく、刺さないミツバチの仲間である。坂上昭一や井上民二の研究で有名である。現地で実際に見て驚いたのは、その…

展示の準備でバタバタして何もできず。いや、準備はできたのだが。 昨晩、震度3の地震があって、烏山標本の耐震対策を早く考えなければと焦った。早速、業者の人を呼んで、標本箱を安定させる相談をする。幸い、スチール棚に収めた標本については、落下防止…

烏山さんの標本を見ていると、ギョッとするものが見つかる(当たり前だが)。昆虫標本の流通量は産地国の法改正、治安情勢、環境の変化、採集法の確立などによって流動するので、価格は水物に等しい場合があるが、これらの種はいずれも変わらぬ珍品である。…

マレーシアの写真は続きます→ ミツヅノコノハガエルMegophrys nasuta (Schlegel, 1837)。2007年以前にも何度もUlu Gombakを訪れたが、この種を見たのはこれが初めてだった。あまり多い種ではないと思う。最初にこの仲間を見たのはジャワ島のチボダスで、この…

展示の準備等々。夜、図録の2校を編集委員長の緒方先生に持っていくが、イマイチだと言われてしまった。緒方先生はデザインに細かい。こうすればいいんだよとアドバイスを受けるが、原稿を集めて手直しするだけでも手一杯で、20名以上の著者にそんなことをし…

塚本珪一・稲垣政志・河原正和・森正人「ふんコロ昆虫記 −食糞性コガネムシを探そう−」を拝受。まずは日本に分布する糞虫の概説からはじまり、これが大変にわかりやすく、日本に分布する糞虫の魅力のすべてがわかるといっても過言ではない。続いて採集記とし…

昨晩の2時ごろ、うつ伏せで寝ていたら、ふくらはぎがチクリとした。片方の足の指で触ったら、何かが指先に触れ、畳の上をシャカシャカと音を立てて逃げていった。そこで目が覚めて、「ゴキブリにしては大きいな・・・・、もしかしてムカデ?」と思って電気を…

マレーシアの写真は続きます→ 夜間にマンマルコガネが見られる立ち枯れにいたゴミムシダマシ。上は4mmほど、下は1センチほどの種。ゴミムシダマシは簡単に多くの種が得やすく、動物相の調査に向いていると思われ、今年からUlu Gombakの種数を調べることに…

午前中は会議。午後から4年生の北野君と標本の整理。とりあえず棚入れは終了。あとは耐震対策を2重3重にすることが課題。そして夏の展示に使う標本の選別が待っている。

大串龍一の「セミヤドリガ (日本の昆虫)」を読む。この「日本の昆虫」のはどれも良いが、このセミヤドリガは、名著といってよいほど、とくに良いと思う。淡々とした記述ではあるが、読み進むにつれ、物語のようにその生活史のふしぎが、明らかになっていく。…

AbeBooksでC. Kochの「Monograph of the Tenebrionidae of Southern Africa. Vol. 1, Tentyriinae, Molurini, Trachynotina, Somaticus Hope」を注文した。 注文後に南アフリカの古書店であることに気付いた。何日で届くのだろうか。Somaticus 属の分類学的…

昼から打ち合わせ、来客、打ち合わせが続き、14時から烏山標本の棚入れ作業を始める。比文の勝山君にチョウの順番を決めを担当してもらい、北野君と安藤さんに手伝ってもらった。ものすごい稀種がたくさんあって、勝山君は喚声をあげながら作業していた。チ…

朝いちばんで平戸の田平教会へ、標本の引き取りに伺った。司祭の烏山さんがドイツ箱700箱分の標本を寄贈してくださる。すでに箱に入っていたため、日通の方と信者の方であっという間に積み込みが終わった。 途中の松浦市の物産店で魚を見る。イラは「オーガ…

図録の原稿が9割9部揃って、もう少しで仕上がる。 午後からゼミ。ニジダイコクコガネの雄の3型に関する論文と、ハナカメムシの産卵場所選好性の論文の紹介。後者のような研究は全然知らなかった。応用に使われる昆虫というのはいろんなことが詳細に調べられ…

マレーシアの写真は続きます→ 昨日のゴミムシの仲間(同属腫。属名は失念)。小型のものに2種がいて、下のものは非常に少なかった。「雰囲気」といい、もしや珍品かと思ったが、今年の3月では下のもののほうが圧倒的に多かった。熱帯では、なかなか採れない…

生協に買い物に行ったついでに、「生物の驚異的な形」、「動物分類学」を購入。 「生物の驚異的な形」はエルンスト・ヘッケルの画集。これだけまとまったものが安価で買えるのはすばらしい。極めつけは放散虫だが、この時代の設備でこれだけの細かい観察をす…

今朝は健康診断。昨年の結果では、BMIがもうちょっとで肥満、血圧が高め、尿酸値も高めという、典型的な生活習慣病予備軍であることが判明した。今年の健診では気をつけなければと思って、3日前くらいから塩分や肉類やプリンには気をつけてきた。血圧は相変…

マレーシアの写真は続きます→ ミツギリゾウムシ、カッコウムシ、ハンミョウと同じ木を夜間に見てみると、また別の虫がいろいろといる。一番多いのはゴミムシダマシだが、写真のように美しいゴミムシが少なくない。こういったゴミムシは昼間にも見られるが、…

朝から夜まで図録の編集。息抜きに少しだけ部屋の掃除をした。

この時期になると、ある虫にソワソワする。それはアリスアブの仲間Microdon spp.である。幼虫はアリの巣に住み、成虫は晩春から初夏にかけて地上に現れる。成虫はハナバチに擬態しているものが多く、可愛らしい姿をしている。福岡低地の成虫出現期ほとんど終…

マレーシアの写真は続きます→ 青く美しいハンミョウ。小型種で、日本のエリザハンミョウほど(10ミリ前後)。おとといのミツギリゾウムシ、きのうのカッコウムシと同じ倒木に見られた。本種は地面にも見られるが、基本的に倒木上をすみかとするようだ。多く…

マレーシアの写真は続きます→ カッコウムシの一種。肉食性で、眼と口器が発達している。この種はおそらくキクイムシを食べるのだろう。キクイムシの発生している枯れ木の上で見られる。(Apr 13 2007, Ulu Gombak, Malaysia)

小松君のお勉強の続き。いろいろなアリヅカコオロギをKOH処理し、プレパラートにして観察してみた。 昼食は「帰郷」。午後から九大の演習林関係の方々10名ほどが博物館の見学に訪れ、昆虫標本の保存法、良い作り方、効率的な収集について話した。それから…