断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

写真:エクアドル2009

昨日に引き続き、キバラグンタイアリの行列にいたハネカクシの一種Vatesus sp.。大形のシリホソハネカクシ亜科の種で、個体数は多い。シリホソハネカクシの仲間は菌食のものや腐植性のものが多く、この属はそのなかで数少ない好蟻性の一群である。おそらく巣…

キバラグンタイアリEciton rapaxの行列にいたハネカクシの一種Termitoquedius sp.(未記載種)。一切の生態は不明。おそらくハネカクシの捕食者であると思われる。これも大変に素早く、いい写真が撮れなかった。属名の「Termito−」はシロアリの意味。最初に…

ワスマン擬態という言葉がある。アリやシロアリの巣に住む昆虫が、全身あるいは体の一部を寄主を似せて、巣から排除されるのを免れるための擬態である。写真のアリの大顎の内側についている「出っ張り」にお気づきだろうか。これはダニの一種Circocylliba sp…

グンタイアリの行列に見つかる巨大なシミTrichatelura manni。体長が1センチほどあるうえ、横幅が広いので、ますます大きく見える。図体は大きいが動きは大変にすばやく、しかもうろちょろとあちこち寄り道しながら走るものだから、撮影は困難を極めた。餌の…

グンタイアリには多岐にわたる分類群の生物が依存している。その有名なものの一つにアリドリという鳥がある。アリドリ科Thamnophilidaeの一部の種は、グンタイアリの行進を追い、グンタイアリの攻撃によって物陰から飛び出したバッタなどの小昆虫を捕食する…

グンタイアリの行列を眺めていると、その周囲をちょろちょろと動き回っている小さなハネカクシがいる。何をしているかというと、行き倒れのアリを探しているのである。グンタイアリは何10万頭という群れで狩りに繰り出すので、一度狩りに出れば、必ず負傷者…

放送を記念してグンタイアリ2種の女王の写真。放送では最も優占種であるEciton burchelliiだけを扱っていたが、同じ場所で合計4種のグンタイアリ属Ecitonのアリを見かけた。上はE. quadriglumeという種の女王で、E. burchelliiのそれに大変よく似ている。下…

「地味なチョウが飛んでるな」というのが第一印象だった。しかし止まったところを見て、「これがカストニアか」と気付いた。カストニアとはカストニア科Castniidaeに属するガの総称で、科内にはいくつかの属があるようだ。昼行性で、飛んでいる様子は力強く…

樹皮に似せたカマキリ。マレーシアでも似たような形態のものをよく見るが、おそらくかなり遠縁だろう。動きは非常に鈍く、警戒する様子もなかった。こういうカマキリは必ず下を向いている。(エクアドル、ArchidonaとZancudo) 地球の平和のために→

樹上性のシロアリ(Nasutitermes sp.、日本のタカサゴシロアリに近縁)の巣にトゲトゲのサシガメが止まっていた。これはシロアリを食べるに違いないと思って、巣を崩したら、のそのそとやってきて、シロアリを捕食した。(エクアドル、Zancudo) エクアドル…

アリそっくりのヘリカメムシ。栗林さんが見つけた。じっくり見て初めてカメムシと気付いた。短いながら成熟した翅があり、これで成虫というのもすごい。下は同じ科のカメムシで、ありふれたの姿のもの。(エクアドル、ArchidonaとZancudo) そろそろネタが尽…

美しい模様のクサヒバリ亜科(ヒバリモドキ亜科)Trigonidiinaeの一種。日本ではクサヒバリ、キンヒバリなど、昔からスズムシと並んで鳴き声を親しまれた虫の仲間である。昼間から草の上にとまっている個体を良く見かけた。(エクアドル、Archidona) そろそ…

きれいなチビタマムシ。 二日サボったらこれです→ タマムシというと玉虫厨子のタマムシ、玉虫色のタマムシであるが、そのタマムシが含まれるタマムシ科には米粒より小さいチビタマムシ属やケシタマムシ属、ナガタマムシ属のような地味で小型の甲虫がむしろ多…

ハネカクシ。 1位になったり、2位に戻ったり→ 南米のアリといえば、グンタイアリとハキリアリである。ハキリアリは葉を刈ってキノコを育てるアリとして有名で、種によって巨大な巣を作り、今回も5メートル四方を超えるものを何度も見た。一般に巣の大きなア…

エクアドルで撮影した蛾の仲間。 晴れが続いています→ スカシバ科Sesiidaeか、ヒトリガ科のカノコガ亜科Syntominaeか・・・。いたるところに普通で、この色彩はおそらく警告色なのだろう。先日紹介したバッタにも似た色調のものがいる。(エクアドル、Archid…

エクアドルで撮影したキリギリスの仲間。 春ですね→ 斑点があって頭部の尖った大きなキリギリスの仲間。灯火に来たたくさんの種のひとつ。ツヤツヤしているが、触るとベタベタしている。(エクアドル、Aechidona)

エクアドルで撮影したコメツキムシの仲間。 春ですね→ コメツキムシは特に弱いので手短に。上の2枚は南米に特有な仲間で、大型美麗種として知られる。1つ目はSemiotinaeという南米特有の亜科のもの、2つ目は見てのとおりウバタマコメツキに近い。どちらも良…

こう見えてカブトムシ。 春ですね→ 大型の甲虫の代表格、カブトムシの種数が南米には非常に多い。南米のカブトムシというとヘラクレスオオカブトやゾウカブトなどの大型種がよく知られるが、小さなものにも多様化が著しい。写真の2種はスジコガネモドキ属Cyc…