断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

生物分類学会連合

 「生物分類学会連合」という、分類学関係の学会が一致団結して生物分類学を盛り上げようという団体がある。今日その大会があり、そこで講演をしたため、昨年末から今日までは、その準備に呻吟していたわけだ。演題は「昆虫の種を見分ける方法」である。

 わたしは分類学に身をおく立場にあり、その大会にはわたしにとっての“雲の上の権威”というべき人たちが集結する。その場で講演するのだから、緊張感は強い。また、その「連合」の関係学会には昆虫関係の学会が複数あるので、その代表という重圧も大きい。そういった背景もあり、いつもの学会発表の数倍は準備に力を入れた。

 

 その甲斐あってか、結果は予想以上に好評だった。

 講演終了後の会場や懇親会では、何人もの研究者が「面白かったよ」と話しかけてきてくださり、激励してくださった。ほとんど初めてお話しする方々である。

 実はこの話しが来たときには、その重圧から、正直言ってあまり乗り気ではなかった。しかし、求職中の研究者には宣伝が命であるし、期待して依頼してきてくださった大会幹事の皆さんの気持ちを裏切ることもできない。 

 成功とも言える結果の安心から、終了後にはやってよかったとつくづく思った。

 昨日今日は会場設営も手伝った。当初それは無給の予定であったが、予算に余裕があったとのことだったので有難く給与を頂戴した。気持ちよく朝まで飲み、給与は酒代に還元させていただいた。