断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

採集と暑気払い

今日は奇跡的な梅雨の晴れ間で、以前から予定しつつも中止を心配していた千葉(君津市三船山)への採集調査を決行することができた。東京農大出身で、現在千葉県君津在住の小野君にご案内いただいた。極めて珍しい好蟻性のアリヅカムシであるケムネチイロアリヅカムシBatristilbus trichothoraxを小野君が以前に三船山で採集していて、その場所に連れて行っていただいたのである。

少し曇り勝ちな採集には程よい気候だった。麓の駐車場へ着いたのは朝の9時半で、そこから採集しながら頂上へ上がっていった。小野君と虫の話しをしながら朽木を起こしてアリの巣を探す。しばらくして早々に小野君がハヤシケアリの巣から1頭採集してくれた。まさかこんなに簡単に採れるものとは思わず、呆気にとられた。その後はわたしが3頭追加し、嬉しい気分で帰途に付いた。三船山は適度に整備された里山の公園で、朽木はそのまま林床に放置され、それが様々な虫の発生地となっている。非常に虫が多く、楽しい採集地である。途中にキノコの生えた倒木があり、そこに10数種の甲虫を見つけることができた。写真は、キノコアカマルエンマムシである。まん丸でかわいらしい。

昼過ぎに君津駅まで送っていただき、そのまま科博へ行った。マレーシアでFITで採集した虫のソーティングしたものを新井さんがもってきてくれているのでそれを受け取るのと、バイトの佐藤さんの作業の手伝いである。FITの虫には驚くべきものが多数入っていて、一番うれしかったのは新属新種の好白蟻性と思われるコガネムシであった。

その夜は科博の未就職者の若者を中心に暑気払いを行った。話しは盛り上がり、あっという間に終電間際になってしまった。