断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

首都大へ

今日は朝に科博で一仕事終え、昼から八王子の首都大へ向かった。新津さんにミクロトーム(薄切片)の作業を見せていただくためである。新津さんの所属する研究室は理学部の自然史研究室で牧野標本館と同じ建物にある。まずは、新津さんの指導のもと、教室でちょっとした作業をし、そのあとに工学部棟へ行って切片を切る作業を行った。

残念ながら切片標本作成は失敗に終わった。樹脂包埋という方法だったが、標本の体液→樹脂という置換の過程が上手くいっていなかったようだ。しかし切片標本は、よく図を目にしたり、同業者でもやっている人の多い技法であり、初めてその仕事の過程を目の当たりにして、いろいろと学ぶことが多かった。もういちど仕切りなおしでやり直すことにした。

帰りに牧野標本館のなかの展示を見た。なんと牧野富太郎の原図が展示してあり、その絵の線の美しさにはしばらく目を奪われた。解説によると面相筆で描かれたようで、驚いた。ヨーロッパのエッチングのような絵だが、てっきりペンで描いているものと思っていた。線の細さと確かさをみると、俄かには信じられない。そう考えると、彼の絵が「牧野式」といって特別なものと思われてた理由がわかる。

そのあと科博へ戻り、一仕事終えてから料麺館で西海さんらと食事し、早めに帰宅する。