「Taxa」が届く
動物分類学会の和文誌、Taxaが届いた。いままで分類学関係の和文誌では植物分類学会の「分類」が一番面白いと思っていたが、千葉中央博の朝倉さんが編集に代わってから、俄然Taxaも面白くなった。
今回も面白い記事がたくさんあったが、個人的に眼を引いたのは、鈴木邦雄、黒田長久、新妻昭夫、樋口広芳、直海俊一郎、三中信宏、秋元信一(敬称略)という錚々たる顔ぶれによるMayr博士の追悼特集だった。Mayr博士に対する評価によって著者らの分類や種概念に関する考え方が浮かび上がり、その点が読んでいて興味深かった。それにしても、現在の壮年の研究者にとって、学生当時にリアルタイムで活躍されていたMayr博士の存在は偉大だったんだなーと思った。もちろん、かなり最近まで本を出されていただが。
また、今島実先生によるご自身の多毛類分類の回顧録は、控えめな筆致ながらもご自身の研究経歴を語られたもので、とても重厚に感じられた。エビの駒井さんは研究紹介をされていたが、見本にしたい、総合的な分類学的研究だと思った。その他、農大の石川君が書いてくれたサシガメの紹介は誰にでも楽しめるものだったと思う。
次号は朝倉さんの代理で自分が編集をすることになった。今回の号がこれだけ面白いと荷が重い…。