断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

また「日本の渚」関連の話し。本のなかに、様々な生物をはじめ、昔の日本の風景を映した印象的な写真葉書や絵が登場する。そのなかに、安藤広重の「深川州崎十万坪」という見事な描写の絵があって、自分の育った場所に近い深川の原風景を知り、大変興味深く感じた。今日、ふと思いだして「深川州崎十万坪」で検索したら、その絵とその他の深川周辺の絵が出てきた。

http://www.asahi-net.or.jp/~vm3s-kwkm/tomioka/ukiyoe.html

このなかでいちばん気に入ったのは、「砂むら元はちまん」という、現在の南砂町周辺の景色だった。荒川河口の広大な湿地に葦が芽吹き始め、道には桜が咲き、遠く房総半島を望む沖には帆掛け舟が浮いている。いまの隅田川河口から深川州崎、葛西、浦安までの海岸には、このように広大なアシ原が広がっていたのだろう。それが西からどんどん埋め立てられていき、今の晴海や豊洲、新木場のようなコンクリートの島に置き換わった。